Discovery DSC 25P 圧力示差走査熱量計:
DSC 25Pは、感圧材料の熱流測定を行う専用圧力DSCモジュールです。Discovery DSC 25Pは、真空、標準気圧、高圧のいずれかの条件で、温度遷移、化学反応、酸化安定性/酸化分解の調査に使用されます。不活性、酸化、または還元雰囲気で材料の熱流を測定します。DSC 25Pの圧力範囲は1Pa~7MPa(0.0001~1,000psi)で、静的または動的パージ(一定容積または一定圧力)下で実験を実行できます。 Discovery DSC 25Pは、周囲温度から550℃までの大気圧および高圧下で操作できます。オプションのFACS用クエンチクーリングアクセサリは、DSC 25Pの動作温度範囲(-130°Cまで)を拡張します.
Discovery Pressure DSC 25P 機能と利点
- 圧力変換器、ペデステル固定センサー、頑丈なシルバーのファーナス、Tzero熱電温度計、温度制御済み電子部品を備えたFusion CellTM正確な温度制御と安定した熱流ベースライン性能を実現するDSC 25P Fusion Cell
- 圧力、温度、時間などのリアルタイムな信号をモニタリングする「アプリ」スタイルのタッチスクリーン、One Touch AwayTM
- 複雑な熱イベント分離や特定の比熱容量の変化監視に対する圧力条件下における温度変調DSC(MDSC®)
- 汎用性の高いソフトウェアコントロールとデータ分析を行うTRIOS
- セルとファーナスについて業界唯一の5年間保証
Discovery DSC 25Pは、ASTMのほか、さまざまな規格に対応:
- E537 – 示差走査熱量計による化学物質の熱安定性
- E 1782 – 熱分析による蒸気圧測定
- D1858 – DSCによる炭化水素の酸化誘導時間測定
- D2009 – DSCによる炭化水素の酸化誘導時間
- D5885 – 高圧DSCによるポリオレフィン・ジオシンセティックスの酸化誘導時間
- D6186 – 圧力DSC潤滑油の酸化誘導時間
- D8117 – DSCによるポリオレフィン・ジオシンセティックスの酸化誘導時間
特徴
装置の特長 |
DSC 25P |
Fusion Cell™ |
● |
T1熱流 |
● |
MDSC® |
● |
標準熱流 |
● |
Tzero熱流 |
─ |
カラーアプリスタイルタッチスクリーン |
● |
クエンチクーリングアクセサリ(-130°C) |
○ |
|
● 付属, ○ オプション, ─ なし
仕様
DSC 25P |
|
圧力範囲 |
最大7MPaまたは1000PSI |
温度範囲(標準) |
室温~550°C |
温度範囲(冷却アクセサリを装備) |
-130°C~550°C |
パージガス |
N2, 空気, O2, He, Ar, CO2, CO, H2 |
酸化誘導時間分析(OIT、酸化安定性)は、品質管理および指紋採取ツールとして広範囲に使用されています。製品(生成物)の有効寿命は、酸化分解に対する耐性に関連しているため、酸化安定性は特に重要です。OIT測定は、高速熱蝋化試験であり、生成されたデータは、材料の定性的評価を行います。有酸素雰囲気の特定の温度における、材料の発熱酸化が開始するまでの熱分析測定によって決定されます。酸化の開始は、発生したサンプル熱の急激な増加によって判断できます。
Fusion Cell™
すべてのDiscovery DSCに、核となる新しいTA Fusion Cell™が搭載されています。これは、全世界で最高の売上を誇るQシリーズと初代Discovery DSCの優れた機能、特許取得のTzero®テクノロジー、独自の新しい製造プロセスを「融合」させたテクノロジーです。競合製品の設計とは異なり、性能向上を目的としたセンサー交換を必要とせず、センサー1台で最適な性能を提供するのがDiscovery DSCの特長です。ベースラインの平坦度、感度、分解能、再現性で他社を寄せ付けない革新的なDSCが実現します。
特長とメリット:
- 特許取得のTzeroテクノロジーがセルの抵抗値や電荷特性を測定すると同時に、競合製品では一般的なベースライン補正の必要がなく、精度の高い熱流測定と優れたベースライン性能を実現します。
- 基台固定センサーにより、定義済みの再現性の高い熱流パスで安定した構成を提供します。
- 耐久性の高いワイヤを採用し、堅牢性な一体型のシルバーファーナスで、優れた温度制御と均一性を維持します。
- 独自の冷却ロッドとリング設計を導入し、幅広い温度範囲で優れた冷却性能と高い冷却率を提供し、レスポンス性の高い加熱から冷却までの操作を実行します。
- 電子部品の温度制御により安定性が向上し、測定した信号の再現性を最大限にすることが可能です。
- 革新的なガスデリバリーマニフォールドは、ガス切り替えをスムーズに行い、一貫性と再現性の高い雰囲気を保証します。
新しいFusionセルは、純度の高いリアルタイムな熱流データを提供します。また、競合製品では一般的なベースライン補正やスミア除去など、時間を要する試験前後のデータ操作は必要ありません。
モジュール型DSC(Modulated DSC®)
特許取得のTA MDSC®*は、従来の線形ランプに代わる正弦温度振動計です。熱流を熱容量の変動と同時に、または独立して測定できるのが最大の特長です。合計の熱流信号には、標準のDSCと同様、熱遷移の合計が含まれます。RHF(可逆熱流)にはガラス遷移と融解遷移が含まれ、一方不可逆熱流には硬化、脆弱化、融解、分解などの動的イベントが含まれます。MDSCを創造したTAは、誰よりもその特性を理解しています。モジュール型DSC (Modulated DSC®)は、すべてのDiscovery DSCモデルの標準です。
MDSCのメリット:
- 複合および重複遷移をより解釈しやすい成分へ分割
- 小さい遷移を検出するために感度を向上
- 感度を損なうことなく分解能を向上
- ポリマーの結晶化を正確に測定
- 比熱容量を直接測定
* 米国特許番号6,561,692
「アプリ」スタイルのタッチスクリーン
すべてのDiscovery DSCには、革新的な「アプリスタイル」のタッチスクリーンが搭載されています。強化されたOne-Touch-Away™機能により、これまで以上に操作が簡単になりました。タブレットやスマートフォンを使うような気軽さで操作できます!
タッチスクリーンの特長とメリット:
- 見やすく、使いやすい人間工学に基づいた設計
- 操作を簡素化し、ユーザーエクスペリエンスを向上する機能を満載
アプリスタイルのタッチスクリーン:
- スタート/ストップ
- 試験および装置のステータス
- リアルタイムな信号
- リアルタイムなプロット
- アクティブメソッドビュー
- 高度なメソッドセグメント
- オートサンプラーキャリブレーション
- パンのロード/アンロード
- システム情報
アプリスタイルのタッチスクリーン、強力な新しいTRIOSソフトウェア、自動キャリブレーションと検証ルーティンを備えた堅牢かつ信頼性の高いオートサンプラーがシームレスに連動し、ラボのワークフローや生産性を劇的に向上します。
FACS向けクエンチクーリングアクセサリー
FACS向けクエンチクーリングアクセサリー
FACS向けクエンチクーリングアクセサリーは、手動で操作する冷却アクセサリーで、フィンエア冷却システム(FACS)と組み合わせて使用します。納期や生産性を改善するため、実験の間の周囲条件にFACSを戻す場合にも使用されます。また、圧力DSCのDiscovery DSC 25Pと組み合わせて使用し、加熱前にサンプルを周囲温度に冷却することもできます。FAC用QCAは、DSC 25Pの温度範囲を-130°Cまで拡張します。QCAリザーバーには、氷、水、液体窒素、ドライアイスなどの冷却媒体を簡単に充填できます。