レオメーターは通常、材料の内部特性または三次元特性を測定するために使用されます。しかしながら大抵の場合、医薬品、食品、パーソナルケア製品、コーティングなど多くの材料には、特徴的なレオロジー特性を有する液液界面または気液界面が存在します。このような場合、これらの二相界面の特性を分析することによって、界面の変動や材料の内部特性に寄与する構造に関する重要な情報を明らかにすることができます。特許取得済みのARES-G2用ダブルウォールリング (DWR) システムは、非常に幅広い温度範囲において粘度と粘弾性を定量化するための特別なジオメトリを提供します。
技術:
ARES-G2用界面アクセサリは、特殊設計のDelrinトラフと、特許取得済みの白金イリジウム製測定リングから構成されています。これらの材質が選択される理由は、化学的に不活性であり、容易に洗浄できるためです。界面剪断面をジオメトリ表面の両側で提供し、液体-空気、または液気界面における単層粘弾性応答に対する感度を高めるため、トラフには独自のダブルウォールジオメトリを採用しています。
ダブルウォールリングにより、真に定量的な粘弾性測定を行うことができます。その理由は、界面がジオメトリリングのダイヤモンド形断面に固定されるためです。この特許取得済みリング (特許番号7,926,326) は直径が60 mmで、使いやすさ、最大限の感度のたに設計されています。ダブルウォールリングジオメトリを使用することで、複雑な副相補正を実施しなくても、10-5 Pa.s.mという低い界面粘度で表面粘度を測定することができます。試験装置の慣性に起因するアーチファクトを削減するARES-G2独自の分割型モーターとトランスデューサー (SMT) 設計により、どの界面系に対しても、非常に幅広い周波数範囲で振動測定を行うことが可能です。
水/ドデカン界面におけるSPAN 65の界面特性
SPAN 65は水・ドデカン界面に選択的に作用する非線形構造を持つ複雑な界面活性剤であり、粘弾性を有する単分子膜を形成します。この図はARES-G2ダブルウォールリングを使用して評価したこの単分子膜の界面特性を示したものです。左の図は70分間の界面形成の発達を示したものであり、この期間に貯蔵弾性率が一定して増加しているのが特徴的です。界面アセンブリの粘弾性は、右側の周波数掃引データで定量化されています。0.2 rad/秒での特徴的な弾性率と高周波帯における弾力特性が、その強力な界面構造を実証しています。このデータ品質の高さは、高感度で慣性フリーな計測を実施し、100 rad/秒もの周波数で弱い構造を持つ界面の粘弾性評価を行えるというARES-G2の圧倒的な優位性を明確に実証しています。