ARES -G2は、研究材料開発のための最も先進的な回転式レオメーターです。
- 優れたデータ正確度
- 優れたひずみおよび新しい応力制御
- 完全一体型の高速データサンプリング
- 分離した電子部品
- 新しいSmart Swap™環境システム
- 特許取得済みのアクティブ温度制御
- 高度なアクセサリ
- 柔軟性が高い試験を提供するTRIOSソフトウェア
- 大振幅振動せん断測定 (LAOS) およびフーリエ変換 (FT) レオロジー解析ソフトウェアパッケージ
- 新しいオルソゴナルスーパーポジション (OSP) および二次元小振幅振動剪断 (2D-SAOS) 技術
- 曲げ、引張り、圧縮を受ける固体を測定するための新DMAモード
フォース/トルクリバランストランスデューサー (サンプル応力)
トランスデューサの種類 | 荷重/トルクのリバランス |
トランスデューサトルクモーター | ブラシレスDC |
トランスデューサノーマル/アキシャルモーター | ブラシレスDC |
最小トランスデューサトルク振動 | 0.05 μN.m |
最小トランスデューサトルク定常剪断 | 0.1 μN.m |
最大トランスデューサトルク | 200 mN.m |
トランスデューサトルク分解能 | 1 nN.m |
トランスデューサのノーマル/アキシャルフォース範囲 | 0.001~20 N |
トランスデューサベアリング | 表面絞り形静圧空気 |
ドライブモーター (サンプル変形)
最大モータートルク | 800 mN.m |
モーター設計 | ブラシレスDC |
モーターベアリング | サファイア製、クリーンなエアが必要 |
変位制御/検出 | オプティカルエンコーダー |
歪分解能 | 0.04 μrad |
最小変位角度振動 | 1 μrad |
定常剪断の最大変位角度 | 無制限 |
角速度範囲 | 1 x 10-6 rad/秒~300 rad/秒 |
角周波数範囲 | 1 x BY rad/秒~628 rad/秒 |
速度ステップ変化 | 5 ms |
歪ステップ変化 | 10 ms |
オルソゴナルスーパーポジションとDMAモード
最小トランスデューサー荷重 | |
振動 | 0.001 N |
最大トランスデューサー荷重 | 20 N |
振動の最小変位 | 0.5 μm |
振動の最大変位 | 50 μm |
変位分解能 | 10 nm |
軸周波数範囲 | 1 x 10-5 Hz ~ 16 Hz |
ステップモーター
移動/位置調整 | マイクロステッピングモーター/高精度リードネジ |
位置測定 | 線形オプティカルエンコーダー |
位置の正確度 | 0.1ミクロン |
温度システム
スマートスワップ | 標準 |
フォースコンベクションオーブン (FCO) | -150 ℃ ~ 600 ℃ |
FCOカメラビューア | オプション |
アドバンストペルチェシステム (APS) | -10 ℃ ~ 150 ℃ |
ペルチェプレート | -40 ℃ ~ 180 ℃ |
シールドバス | -10 ℃ ~ 150 ℃ |
応力と歪を個別に測定
応力と歪を個別に測定
正確な機械測定は制御変数 (刺激) と測定変数 (反応) という基本的仮定に基づいています。これらの重要な実験量の分離によって、優れた正確度を保証します。さらに、各タスクに特化した分析コンポーネントは、割り当てられた役割に最適化される必要があります。弾性率測定の場合、歪の適用と応力の測定を分離する必要があります。また、粘度測定の場合、歪速度の適用と応力の測定を分離する必要があります。TAインスツルメントのARES-G2はこのような方法によって、幅広い応力、歪、周波数で、試験装置のアーチファクトが無い測定を実現しています。
ドライブモーター
ドライブモーター
ARES-G2のダイレクトドライブモーターは、幅広い変位角度と速度において、非常に正確な回転運動を提供するように設計、最適化されています。この設計の主要な要素には、非調心エアベアリングシステム、800 mN.mの高トルクで摩擦が少ないブラシレスDC モーター、特許取得済みの非接触式温度検出、オプティカルエンコーダーの変位センサーが含まれます。サンプルの変形のために設計されたARES-G2モーターは、非常に高い剛性、最高の同軸度、非常に少ない軸の振れを特徴とし、優れたせん断および通常の応力測定に適しています。
ノーマルフォースリバランストランスデューサー (FRT)
ノーマルフォースリバランストランスデューサー (FRT)
比類のないノーマルフォース測定がARES-G2フォースリバランストランスデューサー (FRT) によって達成されます。FRTシャフトを中立位置に維持するために位置フィードバックを利用する軸サーボシステムから構成されています。トランスデューサーの高い剛性によって、過渡ノーマルフォースを非常に正確かつ迅速に測定します。
トルクリバランストランスデューサー (TRT)
トルクリバランストランスデューサー (TRT)
トランスデューサーシャフトを中立位置に維持するために必要な流れが、ARES-G2トルクリバランストランスデューサ (TRT) を利用したサンプルトルクの直接測定を可能にします。剛性が非常に高いこのトランスデューサは、トルクダイナミックレンジ5,000,000~1、頑丈なエアベアリング、高分解能容量型角度センサー (特許番号7,075,317および7,135,874)、および非接触式上部温度センサー (特許番号6,931,915) を特徴としています。独立した静的トルク測定は、モーターの摩擦や慣性の補償が不要なので、純粋なトルク測定を利用できます。
アクティブ温度制御 (ATC)
アクティブ温度制御 (ATC)
ARES-G2は、上部プレート/下部プレート温度のアクティブな測定と制御に関する特許取得済みの非接触式温度センサー技術を取り入れています (特許番号6,931,915)。白金抵抗温度センサー (PRT) がモーターとトランスデューサのシャフトで直接接続されています。PRTは下部と上部の測定面中央と密に接触するように配置されています。温度信号はプリント基板に伝達され、そこから温度が非接触式 (ワイヤレス) 機構を通してモーターとトランスデューサの2番目の基盤に伝達されます。このような温度測定によって、両プレート温度の直接測定が可能になり、より正確で反応性の高い温度制御、非垂直温度勾配を実現し、複雑な較正手順、および、サンプル温度を推測するためのオフセットテーブルが不要になります。この新技術の利点を示すため、アスファルトのサンプルを5分間、25 °Cで保持した後、温度を段階的に85 °Cまで上げました。材料の複素粘度が2つの連続振動時間スイープ試験でモニタリングされました。2つの温度制御構成が使用されました。一方は、ATC技術を利用してPRTをプレートと物理的に接触させる構成で、もう一方は、PRTをプレートに近づけるが物理的に接触させないという構成です。後者のデータは、サンプル温度が85 °Cまで急激に上昇していることを明確に示していますが、定常値に到達する前に、サンプルの複素粘度からの反応が遅いことを示しています。このことは、実際のサンプル温度は報告された温度と大きく異なることを意味しています。ただし、ATC技術を用いた構成からのデータは、プレートの温度が材料の複素粘度の減少に厳密に従って、実際に上昇していることを示しています。サンプルの温度をここまで正確に測定できるのは、アクティブ温度制御だけです。
タッチスクリーンとキーパッド
タッチスクリーンとキーパッド
このグラフィカルインターフェースは新たな次元の使いやすさを実現します。ジオメトリのゼロ化、サンプルのロード、温度設定など、インタラクティブな活動をこのテストステーションで実行できます。温度、ギャップ、荷重、モーター位置など、試験装置の重要な状態と試験情報が表示されます。また、タッチ画面を利用することによって、試験装置の設定と診断レポートへ容易にアクセスできます。試験装置基部のキーパッドによって、測定ヘッドの容易な位置調整が可能になります。
フレーム、垂直移動、配列
フレーム、垂直移動、配列
ARES-G2のフレームおよび垂直移動アセンブリが内蔵されており、最大の剛性、低い軸コンプライアンス (0.1 μm/N)、非常に正確なジオメトリの位置調整、同軸性、配列を実現します。
フレームは高い強度、高周波数試験に最適なダンピング、幅広い温度範囲における寸法安定性を提供します。
2つの硬化スチール製クロスローラースライドに対し、トランスデューサマウントがしっかり固定されます。スライドは一貫性と並列処理を維持しながら、ヘッドのスムーズな垂直方向の動作を可能にします。これは並行プレートのギャップを設定するときに重要です。
トランスデューサのヘッドは、高精度グラウンドリードネジによって、垂直に位置調整されます。剛性プリロード二重ベアリングによってマイクロステッピングモーターに取り付けられ、反動を防止します。
線形オプティカルエンコーダーが固定フレームと可動ブラケットの間に直接取り付けられており、0.1ミクロンまでの正確度で、リードネジの動作に影響を受けない高精度のヘッド位置調整を可能します。
デュアルヘッドレオロジー試験の新しい次元
デュアルヘッドレオロジー試験の新しい次元
TAインスツルメントはARES-G2専用の新しい次元のレオロジー試験を導入します。角度方向と軸方向の正弦波変形により、複合液体の非線形および異方的な挙動を分析するすべての新機能を実現します。この新しい機能はARES-G2 FRTの独自機能を利用して、角度方向のせん断に垂直な軸方向の振動を適用します。
機能と利点
- ARES-G2レオメーター限定
- ダブルギャップ共軸円筒
- TRIOSソフトウェアによる完全にプログラム可能なOSPおよび2D-SAOS実験
- 二方向同時測定
- アドバンストペルチェシステム温度制御
オルソゴナルスーパーポジション (OSP)
オルソゴナルスーパーポジション (OSP)
新しい非線形粘弾性試験
オルソゴナルスーパーポジションは非線形粘弾性を分析するための優れた方法を提供します。角度方向の定常剪断変形がARES-G2 FRTによって軸方向に適用された振動変形と組み合わされます。フロー方向の定常特性と、フローに直角な動的特性が測定されます。このフローは適切に制御され、粘弾性反応を容易に解釈できます。
2 次元小振幅振動剪断 (2D-SAOS)
異方性の選択可能なプローブ
2D-SAOSは二方向選択性により線形粘弾性を測定します。これは複合液体の異方性を理解する上でに特に役立ちます。角度方向と軸方向の同時振動変形は、角度が制御された線形振動、または局所回転フローを発生させます。これにより、単一の振動期間における異方性を十分理解することができます。
ペルチェソルベントトラップと蒸発ブロッカー
ペルチェソルベントトラップと蒸発ブロッカー
ソルベントトラップカバーとソルベントトラップジオメトリが連動して機能することで、熱的に安定な水蒸気バリアを生み出し、実験中の溶媒の損失を事実上防止します。ジオメトリには、サンプル中にある非常に低粘度のオイル、または揮発性溶媒を充填するためのリザーバーが含まれています。ソルベントトラップカバーには、上部ジオメトリの別の部分に触れることなくウェル内の溶媒中に置かれたブレードが含まれます。均一の温度、飽和蒸気、環境が確立され、サンプルの損失とカバーの結露を防止します。ソルベントトラップは、容易に位置調整できるように、APS表面の上部にあるセンタリングリング上に直接置かれています。
浸漬カップ
浸漬カップ
APS浸漬カップによって、液体に完全に浸漬した状態でサンプルを測定できます。差し込み治具によって、APSプレート上部に容易に取り付けることができます。ラバーリングによって液体を密閉し、サンプルのロード、トリミング、その後のシールと充填が容易になります。浸漬カップシステムは最大直径40 mmのプレートまたはコーンを収容できます。このアクセサリは水和ゲルの特性の分析に最適です。
カップ&ボブジオメトリ
カップ&ボブジオメトリ
APSジオメトリには、埋め込み式またはDIN Bobで構成された半径10、15、17 mmのカップが含まれます。ボブの半径には9.3、14、16 mmがあり、対応するカップと共に使用すれば、DIN規格に適合します。ダブルギャップ共軸円筒には、シングルギャップには無い追加のせん断表面があり、超低粘度溶液のために小さい応力と高い感度を提供します。
特殊なカップとボブ
特殊なカップとボブ
特殊ジオメトリにはベーンとヘリカルボブがあります。これらの特殊共軸円筒ジオメトリは、材料/ジオメトリの境界におけるスリップによるエラーを防止し、安定性が限定される分散系の特性評価に大変役立ち、また、大きい粒子を含むバルク材にも役立ちます。ベーンジオメトリは、半径7.5 mmと14 mmから選択できます。ヘリカルボブは、剪断中にサンプルの混合と粒子の懸濁を維持するため、大型のカップで構成できます。
振動試験
振動試験
振動試験は材料の粘弾性を測定するために大変広く利用される試験です。正弦波歪 (または応力) を重ね合わせ、正弦波合応力 (または歪) を2つの正弦波 (入力と出力) の位相差とともに測定することで、材料の弾性と粘性を分析できます。位相角は純粋な弾性材料の場合は0° (応力と歪が同窓) で、純粋な粘性材料の場合は90° (応力と歪が逆位相) です。粘弾性材料は変形速度に応じて、これら2つの理想的なケースの間に位置する位相角を示します。右の図はこれらの正弦波の反応、および、得られたレオロジーの各種パラメーターを示しています。粘弾性パラメーターは変形の振幅、周波数、時間、温度の関数として測定できます。
振動周波数掃引
振動周波数掃引
温度と歪は周波数スイープ中、一定に維持され、周波数を変動させながら粘弾性がモニタリングされます。右の図は線形ホモポリマーの粘弾性フィンガープリントです。周波数の関数としての変数G’とG”を示しています。周波数は時間の逆数なので、この曲線は固体的挙動に相当する短い時間 (高周波数) における時間依存性の機械的反応と、液体的挙動に相当する長い時間 (低周波数) における時間依存性の機械的反応を示しています。G’およびG”曲線の振幅は分子構造によって異なります。周波数掃引は通常、0.1~100 rad/秒の範囲で実行されます。時間温度スーパーポジション (TTS) は、複数の温度で周波数掃引を実行することによって周波数範囲を拡大するために使用されます。示されているデータは190 °Cの参照温度で生成されたポリスチレンのマスターカーブから構成されます。元の3桁の周波数範囲が、TTSを利用することによって、8桁まで拡大しました。
振動ひずみ掃引
振動ひずみ掃引
この試験では、周波数と温度は一定に維持され、粘弾性は応力の関数としてモニタリングされます。歪スイープ試験は、線形粘弾性領域 (LVR) を特定するために使用されます。材料の分子配列が平衡からほど遠く、反応は内部の動的プロセスを反映しているため、LVRにおける試験は強力な構造と特性の関係を提供します。示されているデータは、コーンとプレートのジオメトリのポリイソブチレン溶液 (SRM 2490) に関するひずみ掃引です。歪が小さい場合、LVRにおける弾性率は最大の臨界ひずみγcまでは応力の振幅に影響を受けません。臨界歪を超えると、挙動は非線形になり、弾性率が低下を開始します。これはこの材料のLVRが終わりに近いことを示しています。粘弾性特性だけでなく、ARES-G2は高周波情報を収集できます。
振動昇温および掃引
振動昇温および掃引
幅広い温度で粘弾性を測定するには、材料のαまたはガラス繊維温度、Tg、および、βもしくはγ遷移を測定するための非常に感度の高い技術が必要です。昇温時、線形加熱速度が適用されます。一般的な加熱速度は1~5 °C/分のオーダーです。材料の反応は、LVRの範囲内において、一定の振幅の1つまたは複数の周波数でモニタリングされます。データはユーザーが定義した時間間隔で取得されます。トーション長方形ジオメトリのポリカーボネートの昇温が右に示されています。複数のパラメーターを使用して、G’開始点、または、G”もしくはtan δのピークなどの遷移を決定できます。
温度掃引の際、ステップアンドホールドのプロファイルが適用されます。掃引の各温度は「浸漬」され、ユーザーが定義した時間の間平衡状態に達します。これによって、材料の温度均一性を保証します。材料の反応はLVRの範囲内において一定の振幅で1つまたは複数の周波数で測定されます。すべての周波数依存データが同じ温度で収集されるため、この方法は時間温度スーパーポジション分析に適しています。Rheology Polymer Libraryソフトウェアを使用すれば、このデータからポリマーの分子量分布を計算できます。
振動時間掃引
振動時間掃引
温度、ひずみ、周波数を一定に維持しながら、材料の粘弾性が時間の関数として測定されます。振動時間掃引は材料構造が時間とともにどのように変化するか追跡する上で重要です。これは硬化反応、疲労分析、構造の再構築、その他、時間依存性の分析をモニタリングするために使用されます。使い捨ての並行プレートジオメトリを使用する、2つの部分から成る5-minuteエポキシ硬化に関するデータが示されています。短時間では、貯蔵弾性率は損失弾性率より低くなります。硬化反応が進行するにつれて、2つの弾性率はゲル化点で交差し、それ以降、G’がG”より大きくなり、材料が硬化します。
振動試験
振動試験
振動試験は材料の粘弾性を測定するために大変広く利用される試験です。正弦波歪 (または応力) を重ね合わせ、正弦波合応力 (または歪) を2つの正弦波 (入力と出力) の位相差とともに測定することで、材料の弾性と粘性を分析できます。位相角は純粋な弾性材料の場合は0° (応力と歪が同窓) で、純粋な粘性材料の場合は90° (応力と歪が逆位相) です。粘弾性材料は変形速度に応じて、これら2つの理想的なケースの間に位置する位相角を示します。右の図はこれらの正弦波の反応、および、得られたレオロジーの各種パラメーターを示しています。粘弾性パラメーターは変形の振幅、周波数、時間、温度の関数として測定できます。
振動周波数掃引
振動周波数掃引
温度とひずみは周波数掃引中、一定に維持され、周波数を変動させながら粘弾性がモニタリングされます。右の図は線形ホモポリマーの粘弾性フィンガープリントです。周波数の関数としての変数G’とG”を示しています。周波数は時間の逆数なので、この曲線は固体的挙動に相当する短い時間 (高周波数) における時間依存性の機械的反応と、液体的挙動に相当する長い時間 (低周波数) における時間依存性の機械的反応を示しています。G’およびG”曲線の振幅は分子構造によって異なります。周波数掃引は通常、0.1~100 rad/秒の範囲で実行されます。時間温度スーパーポジション (TTS) は、複数の温度で周波数掃引を実行することによって周波数範囲を拡大するために使用されます。示されているデータは190 °Cの参照温度で生成されたポリスチレンのマスターカーブから構成されます。元の3桁の周波数範囲が、TTSを利用することによって、8桁まで拡大しました。
振動ひずみ掃引
振動ひずみ掃引
この試験では、周波数と温度は一定に維持され、粘弾性は応力の関数としてモニタリングされます。歪スイープ試験は、線形粘弾性領域 (LVR) を特定するために使用されます。材料の分子配列が平衡からほど遠く、反応は内部の動的プロセスを反映しているため、LVRにおける試験は強力な構造と特性の関係を提供します。示されているデータは、コーンとプレートのジオメトリのポリイソブチレン溶液 (SRM 2490) に関するひずみ掃引です。ひずみが小さい場合、LVRにおける弾性率は最大の臨界ひずみγcまでは応力の振幅に影響を受けません。臨界歪を超えると、挙動は非線形になり、弾性率が低下を開始します。これはこの材料のLVRが終わりに近いことを示しています。粘弾性特性だけでなく、ARES-G2は高周波情報を収集できます。
振動昇温および掃引
振動昇温および掃引
幅広い温度で粘弾性を測定するには、材料のαまたはガラス繊維温度、Tg、および、βもしくはγ遷移を測定するための非常に感度の高い技術が必要です。昇温時、線形加熱速度が適用されます。一般的な加熱速度は1~5 °C/分のオーダーです。材料の反応は、LVRの範囲内において、一定の振幅の1つまたは複数の周波数でモニタリングされます。データはユーザーが定義した時間間隔で取得されます。トーション長方形ジオメトリのポリカーボネートの昇温が右に示されています。複数のパラメーターを使用して、G’開始点、または、G”もしくはtan δのピークなどの遷移を決定できます。
温度掃引の際、ステップアンドホールドのプロファイルが適用されます。掃引の各温度は「浸漬」され、ユーザーが定義した時間の間平衡状態に達します。これによって、材料の温度均一性を保証します。材料の反応はLVRの範囲内において一定の振幅で1つまたは複数の周波数で測定されます。すべての周波数依存データが同じ温度で収集されるため、この方法は時間温度スーパーポジション分析に適しています。Rheology Polymer Libraryソフトウェアを使用すれば、このデータからポリマーの分子量分布を計算できます。
振動時間掃引
振動時間掃引
温度、ひずみ、周波数を一定に維持しながら、材料の粘弾性が時間の関数として測定されます。振動時間掃引は材料構造が時間とともにどのように変化するか追跡する上で重要です。これは硬化反応、疲労分析、構造の再構築、その他、時間依存性の分析をモニタリングするために使用されます。使い捨ての並行プレートジオメトリを使用する、2つの部分から成る5-minuteエポキシ硬化に関するデータが示されています。短時間では、貯蔵弾性率は損失弾性率より低くなります。硬化反応が進行するにつれて、2つの弾性率はゲル化点で交差し、それ以降、G’がG”より大きくなり、材料が硬化します。
流れ試験
流れ試験
流れ試験は材料の流れ抵抗または粘度プロファイルを測定するために使用されます。大部分の材料は非ニュートン流体であることに注意してください。つまり、粘度は変形速度に依存します。このような材料では、粘度は単一点の値ではなく、剪断速度よって数オーダー変化する場合がある値の範囲、または曲線によって表されます。流れモードでは、レオメーターは幅広い剪断速度 (または応力) を段階的、または連続的にサンプルに適用し、その際の剪断応力 (または速度) が測定されます。計算された見かけの粘度は通常、制御変数の関数としてプロットされ、この曲線は流動曲線と呼ばれます。分散体とポリマーの一般的な流動曲線が下に示されています。
流体
流体
生成されたデータは見かけの粘度、降伏応力、せん断流動化、チキソトロピーに関する情報を提供し、実際のプロセスと一致しています。回転粘度計などのシンプルな技術では、曲線全体の一部しか測定できません。
ポリマー
ポリマー
ポリマーの分子量は粘度に大きな影響を与え、分子量分布と分岐の程度は剪断速度の依存性に影響を与えます。これらの差はメルトフローインデックスまたはキャピラリーデバイスが使用できない低い剪断速度で非常に明確です。ARES-G2はゼロ剪断粘度の測定に基づいて分子量を決定します。Cox-MerzとTTSは、高いせん断速度までデータを拡大するために使用できます。
過渡試験
過渡試験
応力緩和とクリープ回復実験を含む過渡試験がこの名称である理由は、変形が段階的にサンプルに適用されるためです。両方とも材料の粘弾性特性を測定するための非常に感度が高い試験です。ARES-G2はクリープおよび応力緩和試験を両方実施できます。クリープ回復では、一定の応力がt1でサンプルに適用され、その結果生じるひずみが経時的に測定されます。その後、応力が取り除かれ、回復ひずみ (反動) が測定されます。応力緩和では、瞬間ひずみがサンプルに適用され、一定に維持されます。これによる応力減衰が時間の関数として測定され、緩和弾性率 E(t) または G(t) が求まります。
クリープと回復
クリープと回復
性能が「良い」および「悪い」と報告された、塗装サンプルで実行されたクリープおよび復元実験のデータが右の図に示されています。この試験モードは長期間にわたって荷重をかけたときの粘弾性の測定と、材料性能の理解と予測に役立ちます。例として、複合液体における硬化安定性、および、ポリマー融解物におけるゼロ剪断粘度と平衡復元可能コンプライアンスがあります。
応力緩和
応力緩和
この例は25 °Cの温度におけるポリジメチルシロキサンの応力緩和弾性率G(t) を示しています。G(t) は時間依存性応力緩和を適用されたひずみで割ることによって計算されます。応力緩和実験は材料における緩和時間を直接測定するための迅速かつ容易な方法を提供します。
多波周波数掃引
多波周波数掃引
硬化中の熱硬化性樹脂、または、熱や酸化で分解するポリマーなど、過渡的な構造を持つ材料は、試験の進行に伴って変化するため、迅速な試験が必要です。これらはマルチウェーブモードで適切に試験されます。このモードでは、相互に無関係に、2つ以上の力学的な波をサンプルに同時に適用できます。波は無関係にはたらくため、サンプルに与えられるひずみの合計は、すべての波によって発生したひずみを合わせたものになります。後者はボルツマンの重ね合わせ原理の式です。この式は、適用された合計のひずみが線形粘弾性領域 (LVR) 中にある限り有効です。この試験モードには、標準周波数掃引より早く結果を得られるという利点があります。そのため、高スループットのツールに適しています。右の図のデータは、エポキシの硬化挙動をモニタリングするためにマルチウェーブモードを使用して取得されました。ゲル化点とは、tan δが周波数に依存しなくなる時間のことです。モーターとトランスデューサを分離する設計を備えたARES-G2は、マルチウェーブ実験で発生する複雑なひずみと応力に適しています。
任意波形モード
任意波形モード
このモードは、時間と共に急激に変化する可能性がある材料の試験、プロセスにおける剪断挙動のモデリング、過渡試験における感度の増加、最先端のレオロジー研究で、特に役立ちます。標準の正弦波変形だけでなく、数式で表現されるユーザーが定義したほぼすべての波形を適用できます。入力ひずみと合応力は時間の関数として測定されます。TRIOSソフトウェアはフーリエ変換を利用して、データを周波数ドメインに変換します。これらのデータは材料のすべての粘弾性を計算するために使用できます。
右の図では、選択された入力関数は「opera house」関数です。これは周波数が低い期間、周波数が連続的に増加する正弦波です。これは非常に短い期間で周波数スペクトルを決定するためのもっとも速い手段です。応力反応のフーリエ変換から計算された連続動的弾性率が標準周波数掃引からのデータと共に示されています。「opera house」関数を使用して連続動的弾性率を生成するために必要な時間は1000秒です。一方、桁あたり5ポイントの標準周波数掃引の場合、6600秒です。
大振幅振動剪断 (LAOS)
大振幅振動剪断 (LAOS)
ARES-G2は過渡および振動試験のためのデジタル信号処理機能を持つ新しい高速電子部品を搭載しており、すべての試験モードにおける変位角度、トルクフォース、ノーマルフォースを同時に収集できます。これにより、過渡 (最大8,000 Hz) および振動 (最大15,000 Hz) 測定のための完全一体型高速データ取得が可能になります。高速サンプリングが、測定した信号について、振幅と位相の高い分解能を提供します。これにより、振動試験、または、フーリエ変換後解析中の自動分析のために、はるかに優れた高周波の分解能を可能にします。振動試験中の応力信号に発生する高周波は、非線形反応の結果です。これは、右の図の中で、コーンおよびパーティションプレートアクセサリで測定したLDPEについて示されています。この機能を備えたARES-G2レオメーターは高い正確度が要求されるLAOS実験を実行し、非常に信頼性の高い基本的、および高周波データを提供する上で最適なプラットフォームです。過渡振動データを分析し、非線形材料パラメータをすべて提供するオプションのソフトウェアパッケージを用意しています。非線形材料パラメータにはG’L、G’M、h’ L、h’ M、S、T、Qがあります。
ポリイソブチレン溶液 (2490) の線形から非線形の粘弾性領域における弾性および粘性変形メカニズムが分析されました。右のデータは10%の振幅から開始する貯蔵弾性率、および、大ひずみ弾性率、最小ひずみ弾性率の単調減少を示しています。非線形パラメーターS (硬化/軟化比率) と T (粘化/薄化比率) は非線形の遷移と構造変化のダイナミクスに関するより詳細な情報を提供します。遷移の開始時にTは約0.125まで上昇し、その後、溶液内のポリマーがほどけるにつれて、急速に下降します。しかし、SはTより高い振幅で上昇し始め、その後、下降する前に約1.25の最大値まで急速に上昇します。材料がひずみを受けるにつれて、硬化および粘化/薄化のメカニズムが全体的な構造変化に寄与します。これは大きい振幅の弾性率G’では測定できません。
- ARES-G2レオメーター
- これはレオメーターではなく、新しいARES-G2です
- お客様の感想を見てみましょう
- 応力とひずみを個別に測定
- オルソゴナルスーパーポジション:デュアルヘッドレオロジー試験の新しい次元
- 2つの試験装置を統合:ARES-G2による動的曲げ、圧縮、引張
- ポリマーのレオロジーのアプリケーション
- 熱可塑性ポリマーのレオロジーを理解する
- 熱可塑性ポリマーのレオロジーを理解する
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- ウェビナー:オルソゴナルスーパーポジションレオロジー
- ウェビナー:LAOSを用いた複合流体および軟質固体のレオロジー的なフィンガープリント
- ウェビナー:界面レオロジー -G. Fuller
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- ウェビナー:LAOSを用いた複合流体および軟質固体のレオロジー的なフィンガープリント – G. McKinley
- ウェビナー:レオロジーを用いたポリマー分子重量の分散および混合物の形態の分析 – C. Macosko