オルソゴナルスーパーポジション(OSP)

オルソゴナルスーパーポジション（OSP）は、せん断流動下での動的粘弾性の同時直接測定を実現し、あらゆるプロセスにおける材料の完全な特性評価を行います。レオロジーテストにおけるこの新しい次元は、振動と流動の間のギャップを埋め、混合、押し出し、ディスペンス、注入、ポンピング、スプレッドなどの重要な過程で経験するのと同じせん断条件下での材料の粘弾性挙動を測定します。

複雑な流体（エマルション、サスペンション、ゲル、ペーストなど）のレオロジーは、従来は動的粘弾性測定または定常流のいずれかを使用して評価されます。定常流では、広範なせん断速度または応力にわたる非ニュートン粘度を測定し、加工、吐出、および最終用途における流動のしやすさや抵抗を評価します。動的粘弾性測定は、その材料内部の微細構造に直接起因する静止状態の粘弾性応答を特徴付ける、より豊富な情報を提供します。

OSPの使用により、G ’、G”、およびtanδは、あらゆるフィールドでのパフォーマンスに関連するような近似条件下で直接的に定量化されます。流動場の動的粘弾性の測定では、、せん断によって引き起こされる材料内部の微細構造の変化が観察され、実使用上の重要なな段階での物性値が得られます。 OSPは、異方性またはせん断下の粒子配向を特徴付ける2D-SAOS（回転および軸モードの小振幅振動せん断）も提供します。これらのテスト機能は、構造とパフォーマンスの関係についての新しい洞察を提供し、複雑なレオロジー挙動の特性評価の際に欠けている部分を提供します

特徵

• DHRの特許取得済み磁気ベアリングからの正確に制御された軸方向振動により、せん断下でG ’、G”、およびtanδを直接測定。
• SmartSwapTMOSPロードセルの高精度な荷重感度により、複雑な流体のせん断に敏感な微細構造の変化を測定
• 特別に設計されたOSPジオメトリにより、回転測定と軸方向測定の両方でデータの精度を確保し、ポンピングと表面張力の影響を回避
• 環境テストチャンバー（-10°C〜150°C）によるオプションの温度制御により、温度依存の変化をモニターし、実際の処理条件を再現
• 卓越したTRIOSソフトウェアを使用してOSPおよび2D-SAOS測定を容易にプログラムし、データを迅速に分析

テクノロジー

• 正弦波の軸方向の変形は、DHRの特許取得済みの磁気ベアリングにより正確に制御
• SmartSwap OSPロードセルは、液体の軸方向振動測定に必要な高精度な荷重感度を提供
• OSPカップとローターの形状は、回転測定と軸方向測定の両方において精度が最適化
• オプションの温度制御（-10°C〜150°C）は、環境テストチャンバー（ETC）を適用

OSP：使用中のローションのレオロジーの特性評価

定常せん断レオロジーは、ローションやその他パーソナルケア製品などのシアシニングを示す材料の有益な測定値を提供します。 しかし、粘度測定には、消費者の体感にとって重要な抵抗感やテクスチャなどの特性に関する洞察が欠けています。 ローションの完全なレオロジー特性評価には、粘弾性の振動測定が必要です。

上の図は、せん断流動に同時直交するローションの振動周波数スイープを示しています。 各速度での粘弾性応答は、せん断により引き起こされるエマルションの微細構造変化と、プロセスの各段階での結果として生じる挙動を反映しています。

– 静止時：ローションは「ソフトソリッド」として振る舞います。 G ’はG”よりも大きいため、流れにくいことを示しています。 これは、保存安定性に有利で消費者による取り扱いが容易になります。

– ディスペンシング：チューブからのポンピングまたはスクイーズ中に発生するせん断速度では、ローションはG ’の減少を示し、弾力性の低い構造を示します。 高周波では、G ’はG”よりも大きく、ディスペンス中の滴りを防ぐ弾性を反映しています。

– スプレッド：特に低周波数では、せん断力が高くなると、G ’は大幅に減少し、G”よりも低くなります。 この状態では、ローションは広がりやすく、肌に吸収されやすい状態です。

ローションのOSP測定は、従来のフローカーブを超越し、使用中のパフォーマンスに最も関わりの深いレオロジー特性を評価します。