急冷型熱膨張率測定装置は、鋼や合金における相転移や組織変化を調べるために使用されます。相転移は金属部品の製造中の加熱・冷却時に生じる現象であり、制御下に置かれた熱処理中に相転移が発生します。組織変化や相転移により、体積および熱膨張率の変化が生じます。熱膨張率測定は、金属におけるこのような固体の相転移の程度と温度を特定するための理想的な手法です。急冷型熱膨張率測定は、金属の熱処理を最適化し、最終製品に要求される物理的性質を生み出すために役立てることができます。熱処理温度プロファイルでさまざまな組織変化が生じ、これが、硬度や降伏強度などの重要な特性に影響を及ぼします。
DIL805測定装置は、いくつかの重要なイノベーションが導入された水平プッシュロッド式熱膨張率測定装置デザインを採用しており、金属における相転移の特定に使用できます。要求される高速の加熱・冷却速度を実現するために、サンプルは誘導加熱で加熱され、ガスクエンチによって冷却されます。このような設計のため、1秒あたりで最大毎秒数千℃の加熱・冷却速度を実現できます。DIL805は、高真空を含む幅広い雰囲気での測定を可能にし、冷却されたヘリウムガスを使用した低温冷却に対応します。温度は、最大3つのスポット溶接されたサーモカップルを使用して測定されます。これらのサーモカップルにより、瞬時の、高度に正確な温度測定が可能になりサンプルに沿った温度勾配の評価が可能になります。使いやすい溶接キットを使用することで、サンプル調製を確実かつ数秒以内に行えることが保証されます。
DIL805ハードウェアおよびソフトウェアは、複雑な温度プログラムの高速制御と、サンプル長データの高頻度記録を可能にします。このような非常に高度な機能を用いてのみ、高度に動的な温度プログラムにおける金属の相変化を正確に特定できます。ユーザーは、高い正確度と精密度でTTT図およびCCT図を容易に描画できます。DIL805A/DおよびDIL805A/D/Tは、熱処理中、金属サンプルを急速かつ正確に変形させることができ、この変形の例として、圧縮および引張りが挙げられます。この特長を利用して、鍛造・成形プロセスのシミュレーションが行われ、また、変形後、TTT図およびCCT図の生成も行われます。
急冷型熱膨張率測定装置
アプリケーションノート
- Experimental Study of Deformations and State of Tension in Traditional Ceramic Materials
- Volume Changes in Porcelain Bodies During the Cooling Phase After Firing
- Studying Mould Powders for Continuous Casting with the HM 867
- Thermal Expansion Study of a β-Eucryptite-Based Glass-Ceramic by Means of Optical Dilatometry
- Studying Pyroplastic Deformations On Ceramics