特徴と利点
- 新しい、より応答性の高い温度制御によって、迅速な熱平衡と、4℃~150℃の広い温度範囲を現実の冷蔵用途に提供します。
- 迅速で容易な設置のための新しいプラグアンドプレイ式カロリメーター
- 最大8個のモジュールに対応した新しいアクセサリインターフェースボックス
- pHプローブや光源など、最大3つの異なるプローブ/ソースと接続できる新しいモジュール
- TAM Assistant試験装置の制御、データ取得、データ分析ソフトウェアの新機能
カロリメータ
ユーザーのさまざまなニーズを満たすため、幅広いカロリメータがあります。最大4つのカロリメータをTAM IVと同時に使用して、繰り返しの実験、または異なるタイプの実験を実施できます。TAM IVは完全モジュール式で、サンプルの容量または機能を改善するために、小さいシステムの追加が可能です。6個のミニカロリメータを保持するマルチカロリメータを追加することで、サンプルのスループットが向上します。標準バージョンでも多くのアプリケーションにとって十分ですが、48チャネルバージョンのTAM IVは48もの同時測定を可能にするため、サンプルのスループット向上に推奨されます。
Microcalorimeter
マイクロカロリメータ
20 mlのマイクロカロリメータはツインタイプの熱流カロリメータです。大型のサンプル (電池など) を保持できるように、また、サンプルの上に大きな気体相が必要な実験を実施できるように設計されています。このマイクロカロリメータはすべての20 mlの静的アンプル、および、滴定設備と測定中の相対湿度の制御を含む、20 mlのマイクロ反応システムと使用できます。
20mlマイクロカロリメータはマイクロソリューションアンプルに使用できる唯一のカロリメータでもあります。このアンプルはさまざまな溶媒中の非常に少量の個体を分解するために設計されており、溶解が遅い物質の分解に最適です。分解熱と分解速度を分析できます。
Minicalorimeter
ミニカロリメータ
ミニカロリメータは、サーモスタット内部のカロリメータが占有する空間を減らすよう特別に設計された、4 mlのマイクロカロリメータです。参照点はサンプルアンプルの下にあり、48個のミニカロリメータをサーモスタットに配置することが可能です。ミニカロリメータはマルチカロリメータとTAM 48サーモスタットで使用されます。サンプルのスループットを改善するために設計されており、互換性と安定性の試験に推奨されます。
Multicalorimeter
マルチカロリメータ
TAMマルチカロリメータには6個のミニカロリメータが含まれます。サンプルのスループットを改善するためにTAM IVサーモスタットと使用することが想定されています。TAM IVサーモスタットは最大で24個のカロリメータ、および、ナノカロリメータまたは高精度溶液カロリメータなど他のカロリメータを保持できます。このように組み合わせることで、高い感度とサンプルの高いスループットによって、非常に高い柔軟性を実現できます。個別のミニカロリメータに合わせて設計されたすべてのアプリケーションに使用できます。
Nanocalorimeter
ナノカロリメータ
ナノカロリメータはTAM IV用の非常に感度が高いカロリメータであり、通常は等温モードで使用されます。高感度と卓越したベースライン安定性と組み合わせているため、分子間相互作用の研究における等温滴定カロリメトリー (ITC) に最適です。ナノカロリメータは最大4 mlのすべて閉じたアンプルを保持できます。感度が非常に高いため、1 mlの滴定アンプル、および、参照としての同様のアンプルに使用されます。この参照アンプルには、両側の熱容量のバランスを調整するために、不活性物質 (水、砂など) が含まれます。したがって、通常の条件では、参照用アンプルに関連する熱流は無視できます。
Vacuum/Pressure Calorimeter
真空/圧力カロリメータ
これらのステンレス鋼はアンプルは真空および最大10 barの圧力に耐えるように設計されています。アンプル圧力はヒートフローの測定と同時にモニタリングされます。反応中に気体を発生するサンプルの研究に最適です。アンプルのサイズには、4、20 mlがあります。
Precision Solution Calorimetry
高精度溶液カロリメトリー
溶液カロリメトリーとは、固体が液体い溶解したとき、または、2つの液体が混合したときの溶解熱を判定することです。TAM高精度溶液カロリメータは、固体または液体のサンプルが溶解したとき、または溶媒に希釈されたときに発生または消費される熱を高い精度で測定するためのシングルポジション、半断熱カロリメータです。この試験装置は非常に高い正確度と高精度を実現するために設計され、一般的な熱力学調査と多様な固体相の定量的分析測定に使用されます。25 mlまたは100 mlの容器を使用でき、最大80℃までのTAM IVサーモスタットと使用することが想定されています。
高精度滴定カロリメータ
高精度滴定カロリメータはTAM IVサーモスタットと使用することが想定されたシングルポジション、半断熱カロリメータです。固体または液体のサンプルが溶解したとき、または溶媒に希釈されたときに発生または消費される熱を高い精度で測定します。高精度溶液カロリメータと同じ構成を利用していますが、追加機能が付属しています。結合または合成の現象を分析するため、少量の溶質を撹拌溶液に注入できます。シリンジポンプを使用することで、反復的な注入を実施できます。
高精度滴定カロリメーターは非常に高い正確度と高精度を実現するために設計され、一般的な熱力学調査と多様な固体相の定量的分析測定に使用されます。
Isothermal Titration Calorimetry
等温滴定カロリメトリー
等温滴定カロリメトリーには、非常に高いカロリメトリーの感度と安定性、効率的な滴定液の供給、容易な洗浄と迅速なターンアラウンドを促進する使いやすいプラットフォームが必要です。TAM IVは独自のプロプライエタリなテクノロジーを採用しているため、等温滴定カロリメトリーに最適で、リガンドの結合など、非常に条件の厳しいITCアプリケーションで優れた性能を発揮します。
TAM等温滴定カロリメトリー (TAM-ITC) システムはナノカロリメーター、撹拌機能が付いた1 mlの脱着可能滴定アンプル、効率的に滴定液を供給する高精度シリンジポンプから構成されています。TAインスツルメントのナノカロリメーターはTAM IV用の非常に感度が高いカロリメーターであり、マイクロジュール単位の熱流を容易に検出できます。電力補償モードでは、カロリメーターの反応時間が最適化され、サンプル温度は事実上等温で維持されます。これは、滴定中にサンプルがドリフトすることがある競合製品の設計に対する大きな利点です。
TAMアンプル
TAMアンプルは測定中にサンプルをカロリメーターに保持するために使用されます。アンプルには、オープン型とクローズド型の2種類があります。クローズド型アンプルでは、測定中にサンプルを操作しません。オープン型アンプル (マイクロ反応システムとも呼ばれる) では、サンプルはカロリメーターへの挿入後に操作できます。これらには以下が含まれます。
- クローズド型アンプル – 大部分の実験では測定中に実験条件を変更する必要がありません。そのような実験はクローズド型アンプルで実施できます。
- オープン型アンプルマイクロ反応システム – マイクロ反応システムは、測定中にサンプルを操作する必要がある場合、常に使用されます。マイクロ反応システムを利用すれば、気体または液体をサンプル上で灌流させたり、1つの物質を別の撹拌された物質に注入したり、サンプルを制御された相対湿度または蒸気圧にさらしたりすることができます。サンプルはガラス、ステンレス鋼、またはハステロイ製の反応容器へロードされます。その後、この反応容器 (1、4、20 mlから選択) はマイクロ反応アンプル上でシールされます。
TAM Ampoules
TAMアンプル
使い捨て圧着シールガラス製アンプル
使い捨てアンプルは使用後に捨てることができ、洗浄が不要なので、非常に便利です。圧着シールアンプルは低温範囲の実験に最適です。アンプルのサイズには、3、4、20 mlがあります。
ステンレス鋼製アンプル
これらのアンプルは一般的なステンレス鋼またはハステロイから選択でき、ガラスと反応するサンプル、高温で分析するサンプル、または、実験中に気体が発生してアンプル中の圧力が上昇する可能性のあるサンプルに使用されます。アンプルの蓋はねじ式で、サイズは4、20 mlから選択できます。
加熱シールアンプル
加熱シールアンプルはアンプル上部でガラスを融解させることでシールされます。ゴム製キャップが反応に関連する気体または液体の影響を受ける可能性がある場合に推奨されます。反応物は完全に気体に包まれます。最大サンプル容量5 mlまで対応できます。
TAM Air Ampoules
TAM Airアンプル
20 mlクローズド型アンプルはすべて、TAインスツルメントから現在入手でき、TAM Airカロリメーターで使用できます。20 mlアンプルにはガラス、ステンレス鋼、HDPE (プラスチック) があります。
Admixアンプルはモーター付とモーターなしがあります。セメント/水の混合物のような懸濁液の場合は手動攪拌をお勧めします。液体システムの場合は、撹拌にモーターを使用できます。
Titration Ampoule
滴定アンプル
着脱式のアンプルによって、業界で並ぶものが無い実用性を達成しています。TAM-ITCアンプルは容易に取り外すことができ、装置の外部で洗浄できます。他社の製品ではセルが固定される設計になっているため、実験の間に徹底的な洗浄が必要となり、目視点検を実施することができません。また、TAM-ITCアンプルのオープン型容器によって、固体懸濁液、生細胞が付着した固相マトリックス、高分子などを反応容器にロードできます。これにより、固相系に結合しているリガンドを測定できます。この種のマトリックス実験は競合他社の固定セル装置で実施することはできません。
TAM-ITCでは、100から2.5 mLまでの幅広いサイズのシリンジが利用できます。注入体積/流量は高精度シリンジポンプによって制御されます。各ポンプは2つのシリンジをサポートできます。さらに、2つのポンプは、酵素の反応速度の分析に役立つ1つの滴定アンプルに取り付けることができます。このオプションは競合製品にはありません。
Perfusion Ampoule
灌流アンプル
灌流アンプルは現在もっともシンプルなマイクロ反応システムであり、通常はナノカロリメータに使用されます。液体または気体がアンプルを通って灌流し、出口チューブから排出されます。気体はTAM Assistant™ソフトウェアが制御するマスフローコントローラーを使用して灌流されます。液体はペリスタルティックポンプを使用して灌流されます。灌流アンプルは流れる気体/液体からの発熱速度を測定するため、または、灌流アンプルに置かれたサンプルに対する気体/液体の影響を測定するために使用できます。灌流アンプルのサイズには、1、4、20 mlがあります。
RH Perfusion Ampoule
RH灌流アンプル
RH灌流アンプルは所定相対湿度の気体をサンプル上で灌流させ、出口チューブから排出します。相対湿度は2つの低質量マスフローコントローラーによって制御されます。片方はサンプルに気体を直接送り、もう片方はサンプルの前に2つの加湿チャンバーに気体を通します。TAM Assistant™ ソフトウェアはサンプル上の相対湿度と総流量を制御します。このソフトウェアは、線形昇温または段階的昇温における湿度を変化させるためにも使用されます。RH灌流アンプルのサイズには、1、4、20 mlがあります。加湿チャンバーで水以外の溶剤を使用することも可能です。加湿チャンバーは溶剤の蒸気圧を変化させて気体をサンプルに送ることができます。
TAMシステムの多機能性はさまざまなカロリメトリーを実行する共通のプラットフォームを提供します。
Isothermal Calorimetry
等温カロリメトリー
サンプルは等温で維持され、熱流が経時的にモニタリングされます。
Scanning Calorimetry
走査熱量測定
サンプルはゆっくり昇温、降温されます。
Isothermal Titration Calorimetry
等温滴定カロリメトリー
反応物が繰り返し導入される間、サンプルは等温で維持されます。
Solution Calorimetry
液体カロリメトリー
溶質が溶媒に導入される間、液温をモニタリングします。
アクセサリ
すべてのアクセサリはTAM Assistantソフトウェアと完全に統合されます。
- I/Oアクセサリ3つの外部装置による追加の信号入力と測定を可能にします。
- ガスフロー制御キット灌流またはRH灌流実験中に気体を高精度で制御します。
- シリンジポンプデュアルシリンジポンプは等温滴定カロリメトリーの実験中に注入量、間隔、速度を高精度で制御します。
- 液体フロー制御2つのペリスタルティックポンプが液体の効率的な搬送と混合を行います。