垂直式熱膨張率測定装置

熱膨張率測定は、サンプルの寸法変化を温度の関数として測定します。サンプルの熱膨張を直接測定できることはもちろん、相転移および組織の物理的・化学的変化に関する情報も取得できます。そのような情報は、付随して発生する材料の密度や熱膨張率の変化で特定できます。焼結されるサンプルの収縮と、この変化を達成するために必要な温度の両方が記録されるため、熱膨張率測定は材料の焼結挙動を評価するための極めて有用な方法でもあります。この分析で、形状および処理温度の最適化、製品品質の改善、コスト削減を実現できます。

DIL820シリーズは、垂直プッシュロッド式熱膨張率測定装置です。これらの熱膨張率測定装置は、ファーナス内に垂直に、直立して配置された検体の熱膨張を、検体の上端部をプッシュロッドで走査することで測定します。サンプルの長さが変化すると、プッシュロッドは垂直方向に移動します。この変位は、光学式エンコーダーにより、高解像度で測定されます。長さの変化がサンプル温度とともに記録されるため、膨張-温度曲線を作成できます。－170°C未満から2,300°Cまでの幅広い温度に対応できるさまざまなファーナス型式が提供されており、さまざまな雰囲気で試験を行えます。True Differential技術は、試験装置のコンポーネントの膨張を1回の測定でリアルタイムに補正することで、正確度およびデータ品質を大幅に改善する、知的所有権によって保護されている技術であり、TA の熱膨張率測定装置だけがこれを提供しています。ファーナスの冷却速度が極めて速いため、優れたサンプル処理量を実現できます。TAインスツルメントの熱膨張率測定装置は、最高の正確度、生産性を必要とするラボに最適です。

DIL820のファーナスデザインは、優れた温度一様性と、加熱後の室温への高い冷却速度を実現するよう最適化されており、1日に複数回の測定を同じファーナスを使用して行えます。垂直型構成は、水平型構成では垂れ下ったり広がったりする可能性のある軟化サンプルの測定用、およびバインダーの有無を問わず、粉末の焼結測定用の上位の選択肢です。DIL820は、難易度の高いサンプルにおける最高の正確度を実現するための完璧な試験装置です。