機能と利点:
- 特許取得のテクノロジーを搭載したFusion Cell™により、ベースラインの平坦性、感度、分解能、再現性で優れた性能を提供します。この優れたテクノロジーは、非常に小さい熱転移の検出と最高精度のエンタルピーと比熱容量の測定を可能にします。
- X3用に強化されたTzeroのヒートフトーテクノロジーは、3つのサンプル全てで温度とエンタルピーの正確性を同時に保証します
- 3つのサンプルカロリメータを備えた最高級の性能は、統計分析のための反復試験から対照サンプルに対するバリデーション・ベリフィケーションまで、比類の無い柔軟性を提供して究極の確実性を実現します。
- 複雑な熱イベントを効率的に分割するモジュレイテッドDSC® (MDSC®)。
- One-Touch-Away™ユーザーインターフェースは利便性が改善されており、装置のデータへ容易にアクセスできます。
- 54種類のトレイポジションをプログラムできる信頼性の高いリニアオートサンプラーで、安心の24時間365日稼働、柔軟性の高い実験プログラム、自動キャリブレーション・検証ルーティンを実現します。
- 幅広い冷却オプションで、液体窒素のコストを排除し、オートサンプラーの延長ルーティン時の室温以下での動作を連続して実行します。
- 高速かつシンプルに再現性の高いサンプルを作成するTzeroプレスとパン。
- 高性能なソフトウェアは、装置の制御、データ分析、およびレポート作成を組み合わせたパッケージで、優れたユーザーエクスペリエンスを提供します。自動キャリブレーションルーチンやリアルタイムの試験方法の編集などの機能が比類のない柔軟性を提供する一方、ワンクリック分析およびカスタムレポート作成が、生産性を新しいレベルへと引き上げます。
TAインスツルメントはDSCサイエンスの新しい基準を打ち立て、競合製品では一般的な試験前後のデータ操作を必要とせず、クラス最高の性能を実現します。Discovery DSCシリーズは、DSCの初心者および上級者ユーザーのいずれにも、優れたデータを生成できる自信を与える一方で、ラボのワークフローと生産性を向上します。
革新的な技術、比類なき生産性、卓越した結果
装置の特長 | X3 DSC |
Fusion Cell™ |
● |
MDSC® |
● |
アドバンスドTzeroヒートフロー |
● |
ユーザー交換可能セル |
● |
54ポジションオートサンプラー |
● |
デュアルインプットガスデリバリーマニフォールド |
● |
アプリ形式カラータッチスクリーン |
● |
付属
仕様
X3 DSC | |
ベースライン平坦性(-50℃~300℃)[1] | ≤10 μW |
ベースラインの再現性(-50℃~300℃) | <15μW |
温度範囲 | -180°C to 550°C |
温度正確度 | ±0.025°C |
温度精度 | ±0.005°C |
エンタルピー精度 | ±0.08% |
[1] ベースライン補正なし
Fusion Cell ™
Fusion Cell ™
すべてのDiscovery DSCに、核となる新しいTA Fusion Cell™が搭載されています。これは、全世界で最高の売上を誇るQシリーズと初代Discovery DSCの優れた機能、特許取得のTzero®テクノロジー、独自の新しい製造プロセスを「融合」させたテクノロジーです。競合製品の設計とは異なり、性能向上を目的としたセンサー交換を必要とせず、センサー1台で最適な性能を提供するのがDiscovery DSCの特長です。ベースラインの平坦度、感度、分解能、再現性で他社を寄せ付けない革新的なDSCが実現します
機能と利点:
- TAの画期的なDiscovery DSC Fusion Cellのマルチセンサ対応。
- 特許取得済みのTzeroテクノロジーがセルの抵抗値や電荷(エネルギーを蓄積できる容量)特性を測定します。競合製品で一般的に実行されるベースライン補正の必要がなく、精度の高い熱流測定と優れたベースライン性能を実現します。
- 固定X3センサーにより、定義済みの再現性の高い熱流パスで安定した構成を提供します。
- 耐久性の高いワイヤを採用し、堅牢な一体型のシルバーファーナスで、優れた温度制御と均一性を維持します。
- 独自の冷却ロッドとリング設計を導入し、幅広い温度範囲で優れた冷却性能と高い冷却率を提供し、応答性の高い加熱から冷却までの操作を実行します。
- 電子部品の温度制御により安定性が向上し、測定した信号の再現性を最大限にすることが可能です。
- 革新的なガスデリバリーマニフォールドは、ガス切り替えをスムーズに行い、一貫性と再現性の高い雰囲気を保証します。
Fusion Cellは、絶対的な熱流測定を可能な限り提供します。また、競合製品では一般的に実行されるベースライン補正やスミア除去など、時間を要する試験前後のデータ操作は必要ありません。
Tzero® テクノロジー
Tzero® テクノロジー
従来のDSC熱流測定は、測定した合計熱流に対するサンプルと参照センサーの寄与が相殺されるという原則に基づいています。この原則が真実なら、すべてのDSCは完全に平坦なベースラインを実現することになります。しかし、実際は違います。各センサーの抵抗や電荷(エネルギーを蓄積できる容量)によって熱流が不安定になり、ベースライン平坦度に偏差が生まれるとともに、分解能や感度が損なわれます。この差異(不安定要素)を測定することができるのは、特許取得済みのTzeroテクノロジーを搭載したTAインスツルメントだけです。Tzeroテクノロジーは、ベースライン補正、デコンボリューション、その他の数理処理など、競合製品ではベースライン性能、感度、分解能を向上するために必要な複雑な試験前後のデータ操作が必要ありません。
特許取得のTzeroテクノロジーは、センサーの抵抗や電荷を測定し、4タームの熱流方程式にこの値を使用し、DSCの熱流を正確かつリアルタイムに決定します。TAエンジニアは、DSCパンの寄与を含めることで、この技術をさらに進化させました。完成したAdvanced Tzeroテクノロジー(T4P熱流)は、高い分解能と感度を実現すると同時に、一回の動作で比熱容量の測定が可能になりました。
機能と利点:
- 市販のどんなDSCでも最高のベースライン平坦度を実現し、操作や補正なく高純度なデータを生成。
- 競合製品では必要な時間のかかる試験前後のデータ操作が必要なく、最高の分解能と感度を実現。
- 比熱容量を直接測定し、均一で正確な熱流をサンプルから入出力することが可能。
- 性能のあらゆる側面を向上したDiscovery DSCは、どんなアプリケーションでも常に信頼できるデータをユーザーに提供。
特許取得のTzero™テクノロジーでデータ精度を向上。
モジュール型DSC(Modulated DSC®)
モジュール型DSC(MDSC®)により、データ解釈の信頼性を高めます。総熱流信号のデコンボリューションにより、蒸発ピークで隠されたガラス遷移や冷結晶化と融解の同時発生などのイベントを容易に検出できます。
TAの特許取得済みMDSC*では、従来の線形ランプに正弦波の温度振動が重ねられています。熱流を熱容量の変動と同時に測定できる(熱容量の変動に影響を受けない)のが最大の特長です。総熱流信号には、標準のDSCと同様、熱遷移の合計が含まれます。
モジュール型DSCは総熱流信号を反転および非反転熱流信号に分離します。比熱容量成分で構成される反転熱流信号にはガラス遷移と融解遷移が含まれます。運動成分である非反転熱流信号には硬化、脆弱化、融解、分解などのイベントが含まれます。MDSCを創造したTAは、誰よりもその特性を理解しています。モジュール型DSCは、すべてのDiscovery DSCモデルの標準機能です。
MDSCのメリット:
- 複合および重複遷移をより解釈しやすい成分へ分割
- 小さい遷移を検出するために感度を向上
- 感度を損なうことなく分解能を向上
- ポリマーの結晶化を正確に測定
- 比熱容量を直接測定
* U.S. Patent No. 6,561,692
信頼性の高い自動化
市場で最も信頼性の高いDSCオートサンプラーをさらに改良したなんて信じられないかもしれません。しかし、遂に完成しました!新しい線形オートサンプラーは、これまでより堅牢かつ使いやすい設計であると同時に、試験において最大限の柔軟性を実現します。
オートサンプラーの特長とメリット:
- オートリッドを統合した新しい線形X-Y-Zデザインは、サンプルのロード時間を短縮し、スループットと信頼性を高めます
- 統合されたオートリッドは、一貫性のある再現可能なセルクローズを実現し、測定値の再現性を向上します。
- 新しいレーザーの位置決めシステムにより、ワンタッチの自動キャリブレーションとパン位置検証が可能です。
- スケジュール設定された自動キャリブレーションと検証作業により、科学者は研究に集中して従事することができます。
- TRIOSソフトウェアは大きく、多様なサンプルキューの管理と実行をさらに容易にします。設計ビューと実行キューにより、素早く効率的なオートサンプラーのプログラミングが可能です。
- サンプルと参照パンは、54種類のポジションのどの組み合わせにも割り当てることができます。リモートのサンプル準備にも便利なクイック着脱式トレイを装備しています。
- アンロード用パンをトレイに戻す、または取り外して連続サンプルキューのためのスペースを作るか、いずれかを選べます。
「アプリ」スタイルのタッチスクリーン
X3 DSCには、TAインスツルメントの革新的なタッチスクリーンが搭載されており、One-Touch- Away™機能の強化によって、これまで以上に容易な操作が可能になりました。
タッチスクリーンの特長とメリット:
- アクセシビリティと生産性が向上した人間工学に基づいた設計
- 操作の簡易化を向上させる機能を装備
- ユーザーエクスペリエンスを向上する弾力性と応答性の高いタッチスクリーン
One-Touch-Away™インターフェースには、以下の機能が搭載されています。:
- 開始/停止のコントロール
- アクティブメソッドビュー
- オートサンプラーキャリブレーション
- システム情報
- リアルタイムな信号とプロット
- メソッドの次のステップに進む
- 計画のロード/アンロード
- 試験および装置のステータス
One-Touch-Away™インターフェース、TAの強力なTRIOSソフトウェア、および最も堅牢性と信頼性の高いDSCオートサンプラーがラボのワークフローと生産性を劇的に向上させます。これらの機能は自動キャリブレーションと検証ルーティンをシームレスに連動させ、シンプルで直感的な操作を実現します。
電気冷却システム (RCS)
便利な電気冷却システム(RCS)が、幅広い温度範囲にわたるDSCとMDSC®の無人操作を実現します。新しいRCS 120は、安全性が向上し、-120°Cまでの実験を行うことができる唯一の液体窒素フリーシステムです。
RCSの特長とメリット:
- 1段階から3段階までの冷却システム。対応する温度は -40 °C、-90 °C、-120 °Cの低温。
- 液体窒素冷却システムが必要ない密封システムを採用
- 循環型のMDSC®、制御されたバリスティック冷却実験にも対応
- ラボのニーズに合わせて、安全で便利な連続冷却動作が可能
Discovery液体窒素ポンプアクセサリ(LNポンプ)
LNポンプは、Discovery DSCの冷却において、最高の性能と優れた柔軟性を発揮します。最低動作温度(最大-180℃)、最高冷却速度(最大140℃/分)、最速の室温以下の平衡時間、最高動作温度(上限550℃)に対応。周囲圧力で動作するLNポンプは液体窒素を効率的に使用し、運用費を削減します。自動充填機能を備えた50リットルのデュワーを搭載し、DSCの実験中でも、LNポンプを大容量の供給源から自動で充填し、中断なく連続したDSC動作を約束します。
Tzeroパン
Tzeroの高性能パンとリッドは、パンの平坦性とサンプルの接触を最大限に向上するよう作られています。優れた平坦性と均一性を備えたFusion Cell™センサーと組み合わせることで、Tzeroパンとリッドはサンプルからセンサーまで直接的かつ均一な熱流パスを提供します。さまざまな形状のサンプルに対応するだけでなく、ふぞろいな検体の上部にも適合する蓋(リッド)付きで、サンプル全体から熱を効率的に移動(転送)します。競合他社のパンは基台が平坦ではないため、固形検体の場合、適切な熱接触を得ることができません。高度なテクノロジーを採用し、厳しいツール仕様にも対応するよう作られたTzeroパンは、他のパン設計にはない高い分解能と再現性を実現します。
Tzero DSCサンプル封入プレス
このTzeroプレスは、幅広い材質のクリンプとシールにおけるサンプル封入の性能と利便性を大幅に向上させます。プレスキットには、Tzeroアルミ製および密封パン/リッド用のダイセット(4)が付属しています。オプションのダイセットは、大容量のDSCパン、およびDiscovery TGA密封パンでご利用いただけます。ダイセットはツールやユーザーによる調整を必要とせず、磁気により取り付けられます。また、各ダイセットでは、互換性のあるTzeroまたは標準アルミニウム密封パン、リッドを含むボックスが色分けされています。
サンプル切断キット
DSCの試験用サンプルにはさまざまな形状とサイズがあり、通常はDSCパンへのロード前に、何らかの操作が必要です。サンプル切断キットに含まれるツールでサンプルの適切な準備が容易になり、究極の再現性と結果の信頼性を実現します。プライヤー型サンプルカッターはサンプルの表面をクリーンで平坦にすることで、サンプルとパンの接触を最大限に向上させます。4mmパンチとハンマーはTzeroパンに最適かつ一貫したサイズにフィルムサンプルを切断します。このツールキットは、完全に準備されたサンプルがFusion CellとTzeroパンの高性能を向上させることを保証します。
Tzero® 粉末サンプル調製キット
粉末サンプル調製キットでTzeroパンへの粉末サンプルのロードが従来よりも速く容易に行えます。キットは滑り止めの基台と、高品質のステンレスチールから精密加工された3in1ツールから構成されており、粉末サンプルをロードしたTzeroパンの性能を最大限に向上するよう作られています。下部ツールにはTzeroパンを保持し、パンの底部を支えて保護するための精密設計された陥凹末端があります。上部ツールはパンの上に取り付けることで、サンプルをパンの中央に流し込むじょうごになり、パンの外部表面の予期しない汚染を防げます。スチールロッドでサンプルをパンの底部にしっかり詰めることで押し固めた粉末の層を作り、同時にTzeroパンの平坦性を維持します。このツールで、粉末サンプルのDSC測定結果を簡単かつ効率的に最適化できます。
EasyMass
EasyMass:サンプル準備の効率化と精度の向上
TRIOS™ EasyMassソフトウェアは、天秤とTRIOSソフトウェアをシームレスに統合し、サンプルの重量を直接キャプチャすることで、ラボのワークフローを革新します。TRIOS EasyMass機能がどのようにあなたの示差走査熱量測定(DSC)テストを向上させるかについて詳しく学びましょう:
- 直接電子質量データ転送でエラーを最小限に
手作業による転記や計算ミスにさよならを。EasyMassは天秤からTRIOSへの質量データのデジタル転送を可能にし、正確性と信頼性を確保します。 - 紙と鉛筆を不要に
従来のサンプル準備では、測定値を紙に書き留めることが多くありました。EasyMassを使用すれば、ペーパーレスでワークフローを簡素化し、デスク周りの混雑を減らせます。 - シームレスな統合で生産性向上
反復的な作業が簡単になります。TRIOS EasyMassはデータをシームレスに転送し、手作業のデータ入力に費やす時間を削減します。 - 直感的なユーザーガイダンス
TRIOSと天秤の両方が直感的に操作でき、重要なデータを正確に保存することができます。新しいユーザーでもトレーニング時間を短縮することができます。 - 実験の反復が簡素化
キューにある各DSCランに、サンプルデータが自動的に入力されます。同じ方法を複数のサンプルで繰り返す必要がある場合も、クリック一つで可能になり、貴重な時間を節約できます。 - レビューと監査の強化
信頼性の高い二人目のレビューと監査が可能になります。TRIOS EasyMassはデータを関連するTRIOSユーザーに関連付け、アカウンタビリティとトレース可能性を向上させます。
TRIOS EasyMassで、DSC測定を新たな効率の高さへと引き上げましょう。手作業の煩わしさに決別し、シームレスなデータフローを迎え入れましょう!
JSONエクスポート
JSONエクスポート:将来的なデータ管理
- シームレスな統合: TRIOSデータをオープンスタンダードのJSON形式に変換し、プログラミングツール、データサイエンスのワークフロー、ラボシステム(例:LIMS)との統合を容易にします。JSONは以下で利用可能です:
- オプションで有効にすると、すべての保存時に自動的にエクスポート
- 手動エクスポートダイアログ
- 「LIMSに送信」機能の一部
- 「バッチ」処理ダイアログまたはコマンドライン
- TRIOS AutoPilot内で利用可能
- データの一貫性: 公開されているJSONスキーマにより、一貫したデータ構造が確保され、コードを一度書けばすべてのデータファイルに普遍的に適用できます。
- Pythonライブラリ: オープンソースのPythonライブラリ、TA Data Kit を使用してデータの取り込みを簡素化し、コード例を通じてデータの力を活用する方法を学びましょう。
詳細については、こちらをクリックしてください。
使いやすさ
TRIOSソフトウェアにより、示差走査熱量計の全ラインのキャリブレーションを容易に行うことができます。ユーザーは、様々な実験条件(異なる加熱速度またはガスの種類など)下で複数のキャリブレーションデータセットを容易に生成し、サンプル試験に使用される実験条件に適合するように、データセットをシームレスに切り替えることができます。リアルタイム信号および実験の進捗状況は、実験方法をオンザフライで変更する機能によって表示されます。TRIOSソフトウェアは、業界最高レベルの柔軟性を提供します。
完全なデータ記録
高度なデータ収集システムが関連するすべての信号、有効な較正、システム設定を自動で保存します。この包括的な情報は、手法開発、手順展開、データ確認に欠かせない要素です。
完全なデータ分析機能
実験中でも実施できるリアルタイムのデータ分析のための、包括的な関連ツールを利用できます。TRIOSにシームレスに統合できる強力で汎用性の高い一連の機能によって、材料の挙動に関する実行可能な情報を入手することができます。
すべての標準的なDSC分析
すべての標準的なDSC分析:
- ガラス遷移、ステップ変化分析
- ピーク積分
- 第一導関数と第二導関数
- 酸化開始温度
- 酸化誘導時間
- 純度
- 稼働積分と転化
- ピーク高さと面積
- ピーク最高温度
- 開始点・終了点分析
- TRIOSによるDSCデータの容易なインポートとエクスポート
高度な分析機能(標準機能)
- 硬化反応、結晶化、分解の動力学モデル。
- 総熱流信号をMDSC®で反転または非反転熱流信号にデコンボリューションする。
- ユーザー指定の変数とモデルによる、高度なカスタム分析と比較チャート。
- バッチ処理が大容量データセットの自動解析、レポート作成、比較チャート作成を可能にする。