TAインスツルメントから最新のイノベーション、高温回転粘度計VIS 413をご紹介します。VIS 413粘度計は、最高温度における幅広い種類の材料の溶融粘度のデータ取得を必要とする研究者向けに設計されています。
回転速度制御やトルク測定に用いられるコア測定技術の進歩により、より優れた精度で粘度測定が可能になりました。TAインスツルメント独自の技術を利用した粘度計センサーは、より広い粘度範囲でより高い精度での測定を可能にします。
強力で使いやすく、安全性の高い反応雰囲気制御システムを新たに搭載したことで、空気に敏感な材料の測定にも、高温粘度計の適用範囲が広がりました。これにより、真空、不活性、反応性雰囲気など厳しい環境条件を再現できます。
高温ファーナスの開発および製造で培ったTAインスツルメントの豊富な経験を活かし、新しい粘度計用ファーナスを開発しました。これにより、VIS413の温度範囲が最大化し、優れた温度安定性と均一性を実現しました。ファーナスの品質と独自の性能により、最も広い温度範囲で正確に溶融粘度を測定できます。。
高性能の水冷システムによってファーナスとセンサーの冷却時間が大幅に短縮され、優れた粘度測定の安定性と安全な操作が実現します。アイドルタイムを最小限に抑えることで装置の生産性が倍増し、研究成果が向上します。
粘度計センサーのバネ式サンプルるつぼホルダーにより、サンプルを簡単かつ安全にローディングすることが可能です。実績のある設計と設置面積が小さいため、グローブボックス内に粘度計を設置して操作でき、酸素や湿気に敏感なサンプルも確実に処理可能です。
高温粘度計のテクノロジーとアプリケーションの柔軟性のあらゆる側面を向上させる、高度な技術と細部へのこだわりをご覧ください。
技術仕様
VIS 413 | VIS 413HT | |||
粘度範囲 |
101 – 108 dPa s |
|||
サンプル温度範囲
|
~1550°C |
~1750°C | ||
雰囲気 |
空気、真空、不活性、反応性 |
|||
ローター直径:
|
12 mm / 16 mm
|
|||
サンプル容量
|
26 ml
|
|||
ローターとサンプルるつぼの材料
|
プラチナロジウム(PtRh)、酸化アルミニウム(Al2O3)、その他ご要望に応じて |
|||
回転速度 |
0.001 ~ 300 min-1 |
|||
準拠規格 |
ISO 7884-2, ASTM C965, ASTM C1276 |
|||
寸法 幅 x 深さ |
555 mm x 600 mm |
ファーナス・雰囲気制御
高温ファーナス
VIS413には、TAインスツルメントの最新高温ファーナス技術が搭載されています。2つの水冷ファーナス構成により、業界最高水準となる最大1750℃のサンプル温度が得られます。統合された水冷機構により冷却時間が飛躍的に短縮され、市販品との比較で生産性が倍増しました。
数十年におよぶ設計および製造の経験により、高性能の高温ファーナスは優れた熱安定性、温度均一性、長寿命を実現しました。
真空密閉設計の改善により、実験前後に粘度計から酸素を完全に排出することができます。粘度測定は、不活性(例:窒素、アルゴン)または反応性(例:水素/窒素、一酸化炭素/二酸化炭素)の雰囲気で行います。このような独自機能により、現実的な環境下での粘度測定や、石炭灰、金属、塩類などの酸素に反応しやすいサンプルの分析も可能です。
真空密閉ファーナスの設計と装置内の専用ガス流路により、単一の接続部から反応雰囲気を確実に換気できます。これにより、毒性を有する可能性のあるガス雰囲気での実験において、最高の安全基準が適用されます。
新VIS 413は、空気中または制御雰囲気でのあらゆるサンプル材料分析に最適な、安全で正確かつ柔軟性のある高温粘度計です。
雰囲気制御
VIS413は反応性ガス供給モジュールと組み合わせることができます。これによりソフトウェア制御による排気とファーナス内サンプルの不活性または反応性雰囲気の制御が可能です。
反応性ガスモジュールにより、困難なサンプルの粘度測定の際の操作がしやすくなります。
- 完全なシステム排気により、単にパージする場合に比べて、より短時間で雰囲気の純度を向上
- 実際のプロセス環境の模倣や、測定条件を確実に制御
- 揮発性サンプルを扱う際の汚染防止のため、粘度計センサーをパージ
- 一酸化炭素/二酸化炭素や水素/窒素などの還元性雰囲気での測定を行う際に、完全な無酸素雰囲気を提供
- 換気経路の制御により、ラボの安全性を
独自のファーナス技術により
最大の温度範囲、
真空、および反応性大気機能を実現
サンプルるつぼ、ローター、ホルダー
VIS413は、簡単かつ安全なサンプルローディングを可能にします。サンプルるつぼは、バネで固定されたセラミック製固定具によって所定の位置に支持されます。装置をドラフトチャンバーやグローブボックスに設置する場合でも、サンプルローディングは簡単で便利です。
サンプルるつぼとローターは、セラミックおよびプラチナ合金製があります。測定システムの互換性により、あらゆるサンプル材料やお客様のご要望に応じて適切な材料を選択できます。下表に、測定システムの材料比較が示されています。
サンプルるつぼと汎用ローター継ぎ手の実用的な形状により、お客様の要件を満たすためにそれぞれ異なる材料で製作したサンプルるつぼおよびローターのを提供できます。
VIS413の工夫を凝らした設計とアクセサリにより、空気中または制御雰囲気中でのあらゆるサンプル材料の粘度測定のための柔軟な構成と確実な操作が可能です。
プラチナ合金 | セラミックス | |
---|---|---|
使用形態 | 再利用可能 通常、熱および酸処理にて洗浄します。 |
使い捨て 洗浄不要 |
通常適用 | ガラス、エナメル、鋳造用パウダー | 灰、スラグ、マグマ、金属 |
現場から支持される設計によりサンプルの取
切な測定システムを選択できます。
粘度計
VIS413のセンサー心臓部は、独自の無摩擦・無摩耗のECモーターです。デジタル光学式エンコーダとの組み合わせにより、最高精度での回転速度測定と制御を実現します。
高精度密封ボールベアリングにより、再現可能な摩擦を最小限に抑えるローターの最適アライメントを実現しました。エアベアリングと比較した場合の主な利点は、真空中で作動する能力です。これは、制御された雰囲気での高温粘度測定における驚異的な改善です。
ガス注入用アクセサリがパージガスフローを作ることにより、ECモーター、光学式エンコーダ、ボールベアリングを保護します。この機能により、粘度計のセンサーを汚染する可能性のある揮発性サンプルの粘度測定を実行できます。
独自のECモーターベースのトルクセンサーは、幅広い温度範囲とアプリケーションに合わせた制御雰囲気において、困難なサンプル材料でも、非常に正確な高温粘度データを提供します。
堅牢な独自のレオメータは
困難なサンプルの
高温粘度測定用の
真空機能を提供
高温における溶融物の粘度
高温での溶融物の処理はガラスや金属を含む多くの工業製品の製造、または継続的にスラグを除去しながら稼働させるための基礎でもあります。材料の溶融粘度は、温度だけでなく、化学組成や雰囲気などの周囲の条件にも大きく影響されます。金型の工業的処理では、粘度はプロセスの経済性やエコロジー、製品の品質を決定する重要なパラメータです。
ガラス
ガラス産業
溶融ガラスの加工は、フロートガラス、グラスファイバー、フリットなどのガラス製品の工業生産の一部です。
ガラス粘度
ガラスの粘度は、ガラス加工が可能となる温度範囲に影響を与えます。温度と粘度の関係の測定は、ガラスの生産加工における溶融と熱処理レジームの適切な決定に欠かせません。
例えば、粘度は溶融物の均質化や気泡除去に直接影響します。これにより、メーカーは成形加工やグラスファイバーの生産でのガラスの挙動を予測し、モデル化できます。
ガラスの粘度は温度に反比例して変化します。加熱すると粘度が下がり、ガラスの流動性が増します。温度と粘度の関係は、ガラスの化学組成に直接関係します。メーカーは、ガラス組成と温度についてこの関係を測定し、モデル化する技術を必要としています。
通常、ガラスの粘度は700℃~1600℃で測定されます。下の図は、VIS413で測定した3枚のガラスの高温粘度測定結果を温度によって示しています。
TAインスツルメントのガラス用高温分析計の詳細については、以下をご覧ください。
- ガラス材料の熱膨張と軟化点測定用高温膨張計高温ガラス質溶融体の流
- 動特性および表面張力の測定用加熱顕微鏡
- 高温時の温度拡散率および熱伝導率の測定用レーザーフラッシュ測定装置
金属
金属産業
溶融金属の取り扱いは、従来の製法と付加製造工程の一部です。高品質な金属製品を提供するためには、鋳造用パウダーなどの添加剤が不可欠です。
金属
溶融金属の流動は、従来の連続鋳造工程、付加製造、はんだ付けや溶接などのアプリケーションで発生します。このような流動の理解、予測、改善に必要となる基本的特性は、溶融金属のの粘性です。
一般的に、溶融金属は酸素との反応性が高いです。VIS413は独自の真空および反応性ガス機能を有しているため、ガスの形成(水素/一般的に、溶融金属は酸素との反応性が高いです。VIS413は独自の真空および反応性ガス機能を有しているため、ガスの形成(水素/
鋳造用パウダー
鋳造用パウダーは連続鋳造プロセスに不可欠です。ガラス質鋳造用パウダーの主な機能は、凝固中の金属と水冷銅鋳型の間の潤滑の提供です。鋳造用パウダーは、溶鋼の自由表面を覆う鋳型の上で連続的に添加されます。溶鋼と接触したパウダー層が溶けて、鋼殻と銅鋳型の壁の隙間に浸透して潤滑します。この潤滑は、溶融した鋳造用パウダーの粘度に依存します。摩擦を最小限にするために、この値を調整する必要があります。したがって、工業用途においては1200℃~1400℃の温度での鋳造用パウダーの粘度値が適切とされています。
下図は、VIS413で測定した鋳造用パウダーの温度依存粘性を示しています。鋳造用パウダーの一般的な特徴は、一定の温度(この場合は1160℃)で結晶化が始まることです。
TAインスツルメントの金属用高温分析計の詳細については、こちらをご覧ください。
- 急冷/変形時の金属の相転移の研究調査用急冷型膨張計
- 高温時の温度拡散率および熱伝導率の測定用レーザーフラッシュ測定装置
エネルギー産業
エネルギー産業
高温での溶融物の粘度は、エネルギー変換プロセスの効率、安全性、信頼性において重要。従来の石炭火力発電所や固体燃料を合成ガスに変換するためのガス化装置では、スラスラグや灰がボイラーの壁を流れ落ちるようにする必要があります。最新の発電技術では、冷却や熱伝達目的での溶融金属や塩類の使用が検討されています。
石炭/灰スラグ
石炭火力発電所、石炭ガス化プラント、廃棄物焼却プラントでは、ボイラーから灰やスラグを除去する必要があります。原料が継続的に供給されるため、スラグを工程から継続的に除去する必要があります。これを行う最良の方法は、溶融スラグを保存可能な冷却浴に流入させることです。スラグ粘度は、堆積物を発生させずにボイラーの縁を流せるよう、低くくする必要があります。スラグ粘度は、フラックス剤を添加することで調整できます。フラックス剤を的確に添加するためには、使用する原料のスラグ粘度をボイラーの運転条件下で測定する必要があります。
スラグ粘度の測定は、ボイラー同様の大気条件で行う必要があります。VIS413は、石炭スラグ粘度の決定に提案されているように、制御された一酸化炭素/二酸化炭素混合雰囲気で測定を実行できます。
熱伝達媒体としての塩類と金属
溶融塩類または低融点金属は、太陽/原子力エネルギーのアプリケーションの熱エネルギー貯蔵および熱伝達媒体として非常に大きな可能性を持つ材料グループです。他の熱物性に加え、100℃~700℃の全温度範囲で十分に低い粘度が、このアプリケーションの成功を導く前提条件となります。
塩類や金属の粘度測定は、多くの場合乾燥した無酸素の不活性雰囲気下で行う必要があります。VIS314独自の真空/雰囲気制御機能により、湿度や酸素の影響を受けやすいサンプルの粘度測定が可能になります。
TAインスツルメントのエネルギー用高温分析計の詳細については、ここをクリックしてください。
地質物質
マグマ
粘性は、マグマの形成、輸送、噴火を制御する最も重要な物理的特性です。自然界に存在するケイ酸塩マグマの粘度範囲は、主に温度、融体組成、浮遊物質や離溶した流体相の割合の変化に応じて15桁を超えることがあります。
マグマの実験的研究は、地質学的過程のモデリング改善のための基礎となります。アルミノケイ酸の混合液を冷却すると部分的に結晶化し、残留液中の組成が変化します。このため、マグマの粘度が複雑に変化するため、評価は測定によってしかできません。
下図は、玄武岩質安山岩マグマの粘度を温度によって作図したものです。
地質学研究用のTAインスツルメント高温分析装置の詳細については、ここをクリックしてください。
- 詳細
-
TAインスツルメントから最新のイノベーション、高温回転粘度計VIS 413をご紹介します。VIS 413粘度計は、最高温度における幅広い種類の材料の溶融粘度のデータ取得を必要とする研究者向けに設計されています。
回転速度制御やトルク測定に用いられるコア測定技術の進歩により、より優れた精度で粘度測定が可能になりました。TAインスツルメント独自の技術を利用した粘度計センサーは、より広い粘度範囲でより高い精度での測定を可能にします。
強力で使いやすく、安全性の高い反応雰囲気制御システムを新たに搭載したことで、空気に敏感な材料の測定にも、高温粘度計の適用範囲が広がりました。これにより、真空、不活性、反応性雰囲気など厳しい環境条件を再現できます。
高温ファーナスの開発および製造で培ったTAインスツルメントの豊富な経験を活かし、新しい粘度計用ファーナスを開発しました。これにより、VIS413の温度範囲が最大化し、優れた温度安定性と均一性を実現しました。ファーナスの品質と独自の性能により、最も広い温度範囲で正確に溶融粘度を測定できます。。
高性能の水冷システムによってファーナスとセンサーの冷却時間が大幅に短縮され、優れた粘度測定の安定性と安全な操作が実現します。アイドルタイムを最小限に抑えることで装置の生産性が倍増し、研究成果が向上します。
粘度計センサーのバネ式サンプルるつぼホルダーにより、サンプルを簡単かつ安全にローディングすることが可能です。実績のある設計と設置面積が小さいため、グローブボックス内に粘度計を設置して操作でき、酸素や湿気に敏感なサンプルも確実に処理可能です。
高温粘度計のテクノロジーとアプリケーションの柔軟性のあらゆる側面を向上させる、高度な技術と細部へのこだわりをご覧ください。
- 仕様
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技術仕様
VIS 413 VIS 413HT 粘度範囲 101 – 108 dPa s
サンプル温度範囲~1550°C
~1750°C 雰囲気 空気、真空、不活性、反応性
ローター直径:12 mm / 16 mmサンプル容量26 mlローターとサンプルるつぼの材料プラチナロジウム(PtRh)、酸化アルミニウム(Al2O3)、その他ご要望に応じて
回転速度 0.001 ~ 300 min-1
準拠規格 ISO 7884-2, ASTM C965, ASTM C1276
寸法 幅 x 深さ 555 mm x 600 mm
- テクノロジー
-
ファーナス・雰囲気制御
高温ファーナス
VIS413には、TAインスツルメントの最新高温ファーナス技術が搭載されています。2つの水冷ファーナス構成により、業界最高水準となる最大1750℃のサンプル温度が得られます。統合された水冷機構により冷却時間が飛躍的に短縮され、市販品との比較で生産性が倍増しました。
数十年におよぶ設計および製造の経験により、高性能の高温ファーナスは優れた熱安定性、温度均一性、長寿命を実現しました。
真空密閉設計の改善により、実験前後に粘度計から酸素を完全に排出することができます。粘度測定は、不活性(例:窒素、アルゴン)または反応性(例:水素/窒素、一酸化炭素/二酸化炭素)の雰囲気で行います。このような独自機能により、現実的な環境下での粘度測定や、石炭灰、金属、塩類などの酸素に反応しやすいサンプルの分析も可能です。
真空密閉ファーナスの設計と装置内の専用ガス流路により、単一の接続部から反応雰囲気を確実に換気できます。これにより、毒性を有する可能性のあるガス雰囲気での実験において、最高の安全基準が適用されます。
新VIS 413は、空気中または制御雰囲気でのあらゆるサンプル材料分析に最適な、安全で正確かつ柔軟性のある高温粘度計です。
雰囲気制御
VIS413は反応性ガス供給モジュールと組み合わせることができます。これによりソフトウェア制御による排気とファーナス内サンプルの不活性または反応性雰囲気の制御が可能です。
反応性ガスモジュールにより、困難なサンプルの粘度測定の際の操作がしやすくなります。
- 完全なシステム排気により、単にパージする場合に比べて、より短時間で雰囲気の純度を向上
- 実際のプロセス環境の模倣や、測定条件を確実に制御
- 揮発性サンプルを扱う際の汚染防止のため、粘度計センサーをパージ
- 一酸化炭素/二酸化炭素や水素/窒素などの還元性雰囲気での測定を行う際に、完全な無酸素雰囲気を提供
- 換気経路の制御により、ラボの安全性を
独自のファーナス技術により
最大の温度範囲、
真空、および反応性大気機能を実現
サンプルるつぼ、ローター、ホルダー
VIS413は、簡単かつ安全なサンプルローディングを可能にします。サンプルるつぼは、バネで固定されたセラミック製固定具によって所定の位置に支持されます。装置をドラフトチャンバーやグローブボックスに設置する場合でも、サンプルローディングは簡単で便利です。
サンプルるつぼとローターは、セラミックおよびプラチナ合金製があります。測定システムの互換性により、あらゆるサンプル材料やお客様のご要望に応じて適切な材料を選択できます。下表に、測定システムの材料比較が示されています。
サンプルるつぼと汎用ローター継ぎ手の実用的な形状により、お客様の要件を満たすためにそれぞれ異なる材料で製作したサンプルるつぼおよびローターのを提供できます。
VIS413の工夫を凝らした設計とアクセサリにより、空気中または制御雰囲気中でのあらゆるサンプル材料の粘度測定のための柔軟な構成と確実な操作が可能です。
プラチナ合金 セラミックス 使用形態 再利用可能
通常、熱および酸処理にて洗浄します。使い捨て
洗浄不要通常適用 ガラス、エナメル、鋳造用パウダー 灰、スラグ、マグマ、金属 現場から支持される設計によりサンプルの取
切な測定システムを選択できます。
粘度計
VIS413のセンサー心臓部は、独自の無摩擦・無摩耗のECモーターです。デジタル光学式エンコーダとの組み合わせにより、最高精度での回転速度測定と制御を実現します。
高精度密封ボールベアリングにより、再現可能な摩擦を最小限に抑えるローターの最適アライメントを実現しました。エアベアリングと比較した場合の主な利点は、真空中で作動する能力です。これは、制御された雰囲気での高温粘度測定における驚異的な改善です。
ガス注入用アクセサリがパージガスフローを作ることにより、ECモーター、光学式エンコーダ、ボールベアリングを保護します。この機能により、粘度計のセンサーを汚染する可能性のある揮発性サンプルの粘度測定を実行できます。
独自のECモーターベースのトルクセンサーは、幅広い温度範囲とアプリケーションに合わせた制御雰囲気において、困難なサンプル材料でも、非常に正確な高温粘度データを提供します。
堅牢な独自のレオメータは
困難なサンプルの
高温粘度測定用の
真空機能を提供
- アプリケーション
-
高温における溶融物の粘度
高温での溶融物の処理はガラスや金属を含む多くの工業製品の製造、または継続的にスラグを除去しながら稼働させるための基礎でもあります。材料の溶融粘度は、温度だけでなく、化学組成や雰囲気などの周囲の条件にも大きく影響されます。金型の工業的処理では、粘度はプロセスの経済性やエコロジー、製品の品質を決定する重要なパラメータです。
ガラス
ガラス産業
溶融ガラスの加工は、フロートガラス、グラスファイバー、フリットなどのガラス製品の工業生産の一部です。
ガラス粘度
ガラスの粘度は、ガラス加工が可能となる温度範囲に影響を与えます。温度と粘度の関係の測定は、ガラスの生産加工における溶融と熱処理レジームの適切な決定に欠かせません。
例えば、粘度は溶融物の均質化や気泡除去に直接影響します。これにより、メーカーは成形加工やグラスファイバーの生産でのガラスの挙動を予測し、モデル化できます。
ガラスの粘度は温度に反比例して変化します。加熱すると粘度が下がり、ガラスの流動性が増します。温度と粘度の関係は、ガラスの化学組成に直接関係します。メーカーは、ガラス組成と温度についてこの関係を測定し、モデル化する技術を必要としています。
通常、ガラスの粘度は700℃~1600℃で測定されます。下の図は、VIS413で測定した3枚のガラスの高温粘度測定結果を温度によって示しています。
TAインスツルメントのガラス用高温分析計の詳細については、以下をご覧ください。
- ガラス材料の熱膨張と軟化点測定用高温膨張計高温ガラス質溶融体の流
- 動特性および表面張力の測定用加熱顕微鏡
- 高温時の温度拡散率および熱伝導率の測定用レーザーフラッシュ測定装置
金属
金属産業
溶融金属の取り扱いは、従来の製法と付加製造工程の一部です。高品質な金属製品を提供するためには、鋳造用パウダーなどの添加剤が不可欠です。
金属
溶融金属の流動は、従来の連続鋳造工程、付加製造、はんだ付けや溶接などのアプリケーションで発生します。このような流動の理解、予測、改善に必要となる基本的特性は、溶融金属のの粘性です。
一般的に、溶融金属は酸素との反応性が高いです。VIS413は独自の真空および反応性ガス機能を有しているため、ガスの形成(水素/一般的に、溶融金属は酸素との反応性が高いです。VIS413は独自の真空および反応性ガス機能を有しているため、ガスの形成(水素/
鋳造用パウダー
鋳造用パウダーは連続鋳造プロセスに不可欠です。ガラス質鋳造用パウダーの主な機能は、凝固中の金属と水冷銅鋳型の間の潤滑の提供です。鋳造用パウダーは、溶鋼の自由表面を覆う鋳型の上で連続的に添加されます。溶鋼と接触したパウダー層が溶けて、鋼殻と銅鋳型の壁の隙間に浸透して潤滑します。この潤滑は、溶融した鋳造用パウダーの粘度に依存します。摩擦を最小限にするために、この値を調整する必要があります。したがって、工業用途においては1200℃~1400℃の温度での鋳造用パウダーの粘度値が適切とされています。
下図は、VIS413で測定した鋳造用パウダーの温度依存粘性を示しています。鋳造用パウダーの一般的な特徴は、一定の温度(この場合は1160℃)で結晶化が始まることです。
TAインスツルメントの金属用高温分析計の詳細については、こちらをご覧ください。
- 急冷/変形時の金属の相転移の研究調査用急冷型膨張計
- 高温時の温度拡散率および熱伝導率の測定用レーザーフラッシュ測定装置
エネルギー産業
エネルギー産業
高温での溶融物の粘度は、エネルギー変換プロセスの効率、安全性、信頼性において重要。従来の石炭火力発電所や固体燃料を合成ガスに変換するためのガス化装置では、スラスラグや灰がボイラーの壁を流れ落ちるようにする必要があります。最新の発電技術では、冷却や熱伝達目的での溶融金属や塩類の使用が検討されています。
石炭/灰スラグ
石炭火力発電所、石炭ガス化プラント、廃棄物焼却プラントでは、ボイラーから灰やスラグを除去する必要があります。原料が継続的に供給されるため、スラグを工程から継続的に除去する必要があります。これを行う最良の方法は、溶融スラグを保存可能な冷却浴に流入させることです。スラグ粘度は、堆積物を発生させずにボイラーの縁を流せるよう、低くくする必要があります。スラグ粘度は、フラックス剤を添加することで調整できます。フラックス剤を的確に添加するためには、使用する原料のスラグ粘度をボイラーの運転条件下で測定する必要があります。
スラグ粘度の測定は、ボイラー同様の大気条件で行う必要があります。VIS413は、石炭スラグ粘度の決定に提案されているように、制御された一酸化炭素/二酸化炭素混合雰囲気で測定を実行できます。
熱伝達媒体としての塩類と金属
溶融塩類または低融点金属は、太陽/原子力エネルギーのアプリケーションの熱エネルギー貯蔵および熱伝達媒体として非常に大きな可能性を持つ材料グループです。他の熱物性に加え、100℃~700℃の全温度範囲で十分に低い粘度が、このアプリケーションの成功を導く前提条件となります。
塩類や金属の粘度測定は、多くの場合乾燥した無酸素の不活性雰囲気下で行う必要があります。VIS314独自の真空/雰囲気制御機能により、湿度や酸素の影響を受けやすいサンプルの粘度測定が可能になります。
TAインスツルメントのエネルギー用高温分析計の詳細については、ここをクリックしてください。
地質物質
マグマ
粘性は、マグマの形成、輸送、噴火を制御する最も重要な物理的特性です。自然界に存在するケイ酸塩マグマの粘度範囲は、主に温度、融体組成、浮遊物質や離溶した流体相の割合の変化に応じて15桁を超えることがあります。
マグマの実験的研究は、地質学的過程のモデリング改善のための基礎となります。アルミノケイ酸の混合液を冷却すると部分的に結晶化し、残留液中の組成が変化します。このため、マグマの粘度が複雑に変化するため、評価は測定によってしかできません。
下図は、玄武岩質安山岩マグマの粘度を温度によって作図したものです。
地質学研究用のTAインスツルメント高温分析装置の詳細については、ここをクリックしてください。